人に頼む技術

第1章|誰かに何かを頼むのを気まずく感じる理由

誰かを助けることで良い気分になるには、自ら進んで支援の手を差し伸べているという、”主体性の感覚”が不可欠なのです。

心から相手を助けようと思っていなければ、できるだけ手間暇をかけずに助けようという考えが頭に浮かびます。

そしてこの単純な事実こそが、私がこの本を書こうと思った最大の理由です。


自分の要求に対して、相手に自主的に支援の手を差し伸べてもらうには、そのための適切な状況や枠組みをつくらなければなりません。


私たちは、自分が求めていることを、実際よりも明白なものだとみなす傾向があります。そして、はっきりと言葉にしなくても、相手にそれが伝わると考えているのです。

心理学では、これを「透明性の錯覚」(自分の心が実際以上に相手に読まれていると思い込む傾向)と呼びます。

しかし実際には、あなたの周りにいるのは不親切で気の利かない人たちではなく、単にあなたが何を必要としていて、どんな助けを求めているかがわからない人たちなのです。

でも、安心してください。この問題は簡単に解決できます。わずかな知識があれば、あなたは本当に必要としているサポートを得られるようになります。

第2章|なぜ"頼んでも断られるだろう"と思うのか

第3章|"頼み事をしたら嫌がられるかもしれない"という誤解

第4章|"助けを求めること"が抱える矛盾

第5章|必要な助けを得るための四つのステップ

第6章|こんな頼み方をしてはいけない

第7章|「仲間意識」を活用する

第8章|「自尊心」を刺激する

第9章|「有効性」を感じさせる