心理的安全性とアジャイル

まえがき

心理的に安全」なチームは、「家族のように感じられ、一緒なら山でも動かせると思えるチーム。一緒なら魔法も生み出せると感じられ、意見が出せ、オープンで勇敢、柔軟、脆弱だが学ぶ意欲があり、恐れを知らず、すぐれた実績に達成感を持ちつつ自分たちの輪の中で楽しめるチーム」と私たちは定義する。

CHAPTER1|今日の仕事、明日の仕事

なにが可能かについて消費者がより明確に理解するようになり、水準を引き上げて、もっと、もっとと要求できることを本能的に知ったため、「新しく」て「もっといい」ものに対する期待値はどこまでも上がり続ける


この時代、私たちが頼りにできる唯一確実な要素、持続可能であり続け、意味を持ち続ける唯一の有益な部品は人の資質、能力、スキルだ。

中でも重要なのが勇気、柔軟性、そして回復力だ。共感力、目的、情熱。つながり、コミュニケーション、信頼、良識、善意、気迫。感情指数(EQ)と心、私たちの人間性のエッセンス。

すべて、「職業的」な領域では事実上ほとんど触れられず、過小評価されているものだ。


「技術的負債」はソフトウェア開発において、ソリューションを設計する際に「正しいことをやる」という選択肢をとると多くの労力や努力が見込まれる場合、もっと「安易な方法」を選んだがために後々選択を修正するのに必要となるやり直しのコストや労力を指す。言い換えれば、ソフトウェア開発者が手を抜くと起こることだ。

金銭的負債と同様、技術的負債には高額なツケがついてくる。変化の必要性がもうこれ以上は無理だという段階まで再三再四無視されてきて、多くの場合、一からコードベースを完全に再構築しなければならなくなるのだ。


技術的負債が積み上がるのと同じように、同じものが組織レベルで、従業員についても積み上がってきたのではないかと私は気づいた。そこで創った言葉が「Human Dept(人的負債)」だ。


真のリーダーは皆、ホワイトボードを持っているべきだ。頭や心の中(だけ)にあるのではない本物のボードで、TrelloやJiraなどの最近のプロジェクト管理ソフトウェアに入っていて、チームの全員が船を操縦するためのToDoリストを見られて、今自分がなにに取りかかっているのかがわかるようなものだ。


人が進んで知識を共有し、手を貸し、本当の意味で連携し、自分らしくいて、大胆に、他者を気遣い、やる気をもって一生懸命仕事をし、投資し、没頭し、他者も巻き込み、変化を受け入れ、信頼し、学習し、一種の内なる炎を燃やし、そのすべてを可能にするスピードで動けるようにするにはどうすればいいかを問いかける必要がある。

CHAPTER2|プロセス vs. 人

CHAPTER3|チームと高業績の探求

CHAPTER4|心理的安全性

CHAPTER5|心理的安全性と感情指数を数字に置き換える

CHAPTER6|ソフトスキルは難しい

CHAPTER7|次になにが起きるか、そしてパンデミック以降の世界での働き方