ニューエリート|グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち
ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち
- 作者:ピョートル・フェリークス・グジバチ
- 発売日: 2018/02/23
- メディア: Kindle版
はじめに
- 外見で人や仕事を判断していた時代が終わり,「私たちはどのように働き,生きるのか」という大きな視点で見ても変化が必要な時代に入っている.
- 大手企業に就職しても,入社5年目くらいにコアメンバーに選ばれるかどうかで,エリート/ノンエリートの選別がなされてしまう.
- 世界を変えるための方法は様々だが,「面白いからやっている」「やりたいから勝手にやっているだけ」「自分がやらなければならない」というスタンスは共通している.
- 変わること.変わり続けること.そのためには,常に次の可能性に備えておくこと.
- 今の環境が永遠に続くというのは幻想でしかない.
- 本書では,これからの時代をリードする人とは,どんな価値観を持って,どんな仕事をして,どんなふうに生きているのかについてあれこれ語っていく.
第1章|2020年代の「成功者」とは?
- この時代に生き残る人材や企業は,ゼロから新しい価値を生み出す人々であり,彼らに求められるのは,情熱,創造性,率先.
- 大手企業の多くでは,新卒で入社した社員の選別を,比較的早い時期から始める.
- たとえば,入社数年時点でコアメンバーを選出し,「次世代リーダー研修」などと銘打った研修を通じて育成に着手する.
- 最も成長している企業は,新しい業界を作り,競争がない市場でナンバーワンになっている.
- これからの時代をリードする人材は,確かなビジョン(「こういう世界を描きたい」「こういう世界を見たい」というイメージ)を持っている.
ビジョンは実現しやすいかどうかよりも,実現しようとする意志の強さが重要です.
ビジョンを実現したいというエネルギー(パッション)があれば,賛同する人は必ず現れます.
ビジョン,ミッションが明確で,それを実現させるためのパッションを持っている人は,確実に結果を出します.
- 新しい働き方を楽しむ2つの基準:
- 仕事で自分が出しているアウトプットにプライドがあるか
- アウトプットを出すまでのプロセスを楽しんでいるか
- 成功している人は,自分がもらう価値よりも圧倒的に多くの価値をもたらしている.
第2章|つねに学び、自分をアップデートする
- 学ぶ人は,どんな環境であっても学ぶ.あらゆる機会を学びに繋げている.
- 自分のスキルや生産性を高めるための日常的な学びは必須.
「結局,建物ができても自分では満足できないんです.だからこそ,自分にはまだ頑張る余地があるのかもしれないですね」
顔を見れば,謙遜で言っているのではないのは明らかです.隈先生は,本当に自分は失敗続きだと思っていて,だから頑張ろうと考えている.その謙虚な姿勢に感動しました.
- 成功者と会ったときには,その人の価値観や,これまでの人生の歩み,成功した理由(その自分なりの解釈),成功しそうで失敗した理由などをとにかく聞く.
- 人は,自分について聞かれるのが好きな生き物.好奇心を持っていろいろと尋ねてくれる人に対しては,肯定的な反応をするもの.
キツい選択をしないと,あとでラクにならない.キツい選択をすれば人生がラクになる.
そう信じているので,迷ったときは厳しい選択をすると決めています.
- メモをした内容は,空き時間などに見直す.
- そして,「なぜ,この記事に心を動かされたのか」「自分の考えや理論とどう関係があるのか」を考える.
僕には,「今をしっかりやれば未来が変わる」という信念があります.今やるべきことを決めたら,中途半端に取り組まず,120%の力を注ぐべき.
その結果,道が開けたという経験を何度もしたからこそ,強く実感しています.
- グーグル社内で行われた調査によると,大学を卒業したかどうかとパフォーマンスに相関関係があることがわかっている.
- パフォーマンスと最も相関関係があるのは,挫折経験であることがわかっている.
- 過去の挫折経験を乗り越えられたのなら,仕事で悩むことがあっても道を誤ることはないということ.
第3章|決断は直感で。早く動いて結果を出す
何かを決断してすぐに動く心がけは,非常に重要です.
決断しない人・動かない人は,何も生み出しません.つまり,迷って停滞している時間を減らすべきなのです.
- 最終決断をする直前に決定的な情報が入ったり,ひらめきが生じたりする可能性は高い.
- なぜなら,人が答えを探そうとするとき,無意識のうちに最良の決断をするために脳が働くから.
- 直感で決断したら,「自分の決断の間違いを裏付けるエビデンス」を探すことが大切.
- 私たちがやるべきことは明白.すぐに行動して,間違っていたら方針を転換する.それしかない.
- 何かを成し遂げるためには,早く小さな失敗を繰り返すしか道はない.
- 意図的に直感で決断する機会を作っておけば,小さな失敗も経験できるし,直感のセンスも磨かれる.
職場のちょっとした場所に洋書を置いてみるとか,絵を飾ってみるとか何でもいいのです.
別に洋書を読まなくても,なんとなく「洋書があること」が一つの刺激となります.
こういった刺激のストックを増やすことが,直感のセンスを磨くことにも繋がるのです.
- 意図的にブランディングを図るのも重要だが,周囲の反応から,自分のブランドになり得るものに気づくセンスはもっと重要.
- 具体的に計画して行動している人が,どんどん自由な働き方を手に入れる.
- 一方で,行動しない人たちのキャリアが閉ざされていく.そんな二極化に拍車が掛かるはず.
成功した人たちをたくさん見るうちに,結局は行動したかどうか,さらに言うとスピーディに行動したかどうかが,成功を左右する一番のカギだと確信しました.
- 成長ができて,やりたいことを楽しみながら仕事にできるレベルが,理想的な働き方.
- 仕事や趣味というカテゴリを横断して「行動できる人」が活躍する場面がもっと増えていくはず.
- これから流行りそうな活動をするよりも,「誰もやっていないこと」「自分にしかできないこと」に取り組むべき.
- 誰もやっていないことというのは,CANではなくWILL.つまり「自分は何ができるか?」より「自分は何がやりたいか?」.
第4章|会議・チーム作りはアウトプットから逆算する
- 材料を提示して意見を求めたり,改善のアドバイスを受けたりする.そうすれば結果は格段に出やすくなる.
- ポイントは,目指しているゴールを明確にし,それに向かってPDCAを早く回す作業.
- アウトプットが見えないまま会議を進めるのは最悪.
- コミュニケーション能力は,結果で評価されるものである.これが唯一にして絶対の原則.
- 「結果」とは,簡単に言えば人が動いてくれたかどうか.
- 人を管理したりリードしたりするスキルが重要となる.
- ただ与えられた仕事をこなし,一番できる人がリーダーではなく,自分でアウトプットの目標を定め,それに向かってプロジェクトマネジメントする力がリーダーシップとなる.
本物のリーダーシップは,相手が心地よくなるように親切にすること.気持ちを察して気配りをすることです.
その結果,周りが恩返しをしようと頑張って働いてくれます.
- 質の高い雑談を支えるのは,質の高い質問.
意外かもしれないですが,グーグルは小さなミーティングが結構多い会社です.
なぜミーティングをするのか.答えは簡単,そのほうが効率的だからです.
「IT系の企業はメールで意思疎通をしている」というのは大間違いです.メールでいちいちやりとりしていたら,意思の疎通ができずに仕事が停滞します.
だから,「今ちょっといい?」と呼びかけて,4〜5人が集まって,要件だけ話し合い,すぐに問題解決をしてしまいます.
議事録や資料は,クラウド上のグーグルドキュメントに全員が同時に書き込みます.そうすれば,ミーティング終了時には資料ができあがっています.
- メールは「持ち帰る文化」を助長する.
- いったん持ち帰って,検討してから返事をする.これでは昔からある日本的な働き方と全然変わっていない.
- オンラインチャットであれば,リアルタイムで意見交換をしつつ,情報を取りまとめることができる.
- イケてる会社は,一人ひとりが生き生きしている.
- リーダーとチームメンバーの間,同僚の間に信頼関係ができている.
- 「新しいアイデアを出したい」「楽しく仕事をしたい」雰囲気が満ちている.
信頼関係を作るためのコミュニケーションのカギとは何でしょう?
それは,努力を褒めることです.
努力を褒めると,実際に子どもの成績が伸びるというデータがあるそうです.成績が伸びるのは,自分が信頼されているのを自覚できるから.
誰でも,尊重され,信頼されれば力を発揮しようという気になる訳です.
- リーダーはチームメンバーとコミュニケーションを取る機会を作って,彼らの価値観を聞き出すべき.
- 「価値観」とは,何を大切にしているのか,何を目指しているのかといったこと.
- 「海外勤務をしたい」だったら,実現するためにどうすればいいのかを一緒に考えてみる.
- 「家族と過ごす時間を増やしたい」だったら,定時に帰宅できるように一緒に仕事を見直してみる.
- 黙って座っているだけでメンバーから情報が上がってくるはずがない.
第5章|スプリントのリズムで体調を管理する
- 自己実現ができる人は,マラソンの発想ではなく,スプリントの発想で生きている.
- スプリントは一度全力でダッシュをしたら,次のレースまでの時間は,休養や次のレースまでの改善につい費やす.
- 「結果を出す→休む」この感覚の繰り返しを意識する.
- 終わりを決めずだらだら残業するのはやめて,その日の結果を出したらさっさと退社して休みましょう.
人間の集中力も90分が限度.大学の講義が90分単位なのもそのせいです.90分以上仕事を続けるのはやめて,休憩を入れるサイクルで動かしていくのです.
一度デスクから離れて散歩をしてみる.お茶を買いに行く.仮眠を取る.外に出て空を見る....自分なりの休憩方法を確立することをおすすめします.
- 新しい価値を生み出すには,自分の仕事を客観的に見る機会を作るのが不可欠.
- 今やっている仕事に本当に意味があるのかどうかを振り返り,不要な仕事は手放していく.
大人になると,忙しい日々の中で,夢を忘れてしまいがちです.
夢を忘れるのは,想像する時間がないからです.多くの人は,受け身のまま情報を受け取るばかり.想像を怠っています.
自分が本当は何が好きなのか.何を大切にしているのか,どんな夢を持っているのか,リラックスした環境で想像してみてください.
そのための時間を作って欲しいのです.