仕事に追われない仕事術
- 作者:マーク・フォースター
- 発売日: 2016/10/22
- メディア: Kindle版
本書に登場する18のキーワード
- 1|クローズド・リスト
- 仕事は「ここまで!」と制限するラインが引かれたリスト.
- 2|オープン・リスト
- 「ここまで!」という制限を示すラインのない仕事のリスト.
- 3|チェック・リスト
- ある仕事の作業工程や手順,やるべきチェック項目を並べたリスト.
- 4|コミットメント
- 「私はこの仕事に集中する」「この仕事を引き受ける」と自分自身と周囲に宣言すること.
- 5|本当の仕事
- 計画を目指すところに前進させる根幹となる仕事.綿密な計画と入念な思考を要するチャレンジングな仕事でもある.
- 6|忙しいだけの仕事
- レベルの高い計画や思考が不要な”作業的な”仕事.
- 7|バッファー・ゾーン
- 仕事とは心理的距離を取る必要があり,バッファー・ゾーンはその距離のことを指している.
- これがあると新しい仕事に反射的に反応せず,緊急度を判断し,どのように取り組むかなど,適切な判断をした上で取り組むことができる.
- 8|マニャーナの法則
- 「新しい仕事は明日やる」を基本にする仕事術.
- 1日に発生する仕事を集めて類別し,翌日にまとめて処理する.
- 9|タスク
- 仕事の単位.手間のかかるタスクは,さらに小さなタスクに細分化して管理するとよい.
- 10|プロジェクト
- 「複数のタスクの集合体」のこと.タスクがさらに細分化できるなら,元のタスクはプロジェクトとなる.
- 11|タスク・ダイアリー
- タスクを管理するための1日1ページ形式の日記帳.
- タスクは,ここに書き留めることで,仕事の単位としての実体を持つことになる.
- 12|デイリー・タスク
- 毎日欠かさず(あるいは週に何度か)する仕事.
- 13|ファースト・タスク
- 今,最も進めたい仕事を1つ選び「毎日の最初の仕事」として必ず手がけることにする.
- 14|TO DOリスト
- するつもりの仕事すべてが網羅されたリスト.オープン・リストの典型である.
- 15|WILL DOリスト
- すると決めた仕事のリスト.その日にするとコミットした仕事だけが記載されるクローズド・リストとなる.
- 16|ダッシュ法
- 短時間(5分から最長40分)ダッシュするように,休みなく集中して働く方法.
- 17|期限の効果
- 仕事の期間となる終了時間を明確にし,制限のある状況で働くことで,集中力を高め,仕事の効率を向上させる効果のこと.
- 18|ラベリング
- 浮かんでくる考えや,思いに名前(ラベル)をつけること.
第1部|タイム・マネジメントの基本的考え方
CHAPTER02|問題はシステムで解決する
- 問題はあれこれ集中の対象が変わってしまうこと.
- 邪魔が入れば,すぐに途切れる集中力ではダメで,脳の力をフル活用するには”集中力の継続”が必須.
- やり遂げたい仕事に対し,充分な集中力を継続して発揮できるかどうかが鍵.
- 仕事の効率を上げるには,優れたシステムが必須であり,優れたシステムが構築できるのであれば,時間と費用をかけても絶大なリターンがある.
- 優れたシステムの持つ特徴とは,一度身についてしまうと「しない」ことにものすごい抵抗感を覚えること.
CHAPTER03|機能するシステム・7つの原則
原則1|「明確なビジョン」が存在する
- ビジョンを明確にするための鍵は「何をしないか?」にかかっている.
- 「NOT TO DOリスト」をつくる:
- 午後11時から午前11時までは電話に出ない
- 進行中のプロジェクト以外の仕事には手を出さない
- 計画した仕事が完了するまで他のことをしない
- 「NOT TO DOリスト」をつくる:
原則2|「一事に集中」する
- 成功への王道は「一事に集中し,できたら次に進む」という方法.
- 成果が出ない原因は「仕事を抱えすぎる」ことにある.
- 1つのことに完全に集中する:
- 完了するまで,その課題に集中する
- 完了するまで,他のことには手を出さない
原則3|「少しずつ頻繁に」行う
- 「毎日,コツコツ」の2つのメリット:
- やってみれば,その経験を通して,学んだことを消化できる
- 新たな学びから,新しいアイデアが生まれる
原則4|「リミット」を設ける
- 創造力の発揮には”制限すること”が有効.
- 何かを創造しようと思ったら「何でもあり」ではなく,制約を設けることで,焦点を明確にする方が有利.
原則5|「クローズド・リスト」を使う
- 「クローズド・リスト」とは,「ここまで!」というラインが引かれた仕事のリスト.
- 反対は「オープン・リスト」であり,典型的な例が「TO DOリスト」.
- クローズド・リストは大きくならない(それ以上仕事が増えない).
原則6|突発の仕事を減らす
- 今日やろうと決めた仕事がその日に終わらない理由は,「邪魔が入るから」つまり,突発の仕事が予定に入り込むから.
原則7|コミットメントと興味を区別する
- 何かにコミットするならば,それ以外の対象はコミットしないものとして,排除しなければならない.
- 「興味」と「コミットメント」は区別しなければならない.
- 「これにコミットするには,何を始めるべきだろうか?」
- 「これにコミットするには,何をやめるべきだろうか?」
- 「これにコミットするために,私はどれだけの犠牲を払う覚悟があるだろうか?」
- 「興味」と「コミットメント」は区別しなければならない.
「1つのことに集中し,それが完了してから次に進む」これが成功の王道.
CHAPTER05|TO DOリストと優先順位の限界
- TODOリストは「その日に入る仕事」と「その日に処理すべき仕事」の関係が無視されている.
- コミットする仕事を絞って「仕事を抱えすぎない」ことがとくに大切.
CHAPTER06|「忙しいだけの仕事」を捨てる
- 新しい仕事が出てきたら,まずは既存の仕事への影響を考える.
- 新しい仕事が来たら,引き受ける前に必ず「この仕事は,既存の仕事より価値があるか?」をまず自分に問いかけること.
- 「本当の仕事」を見極め,目標に近づく極意とは,「まず『ノー』と言ってしまう」こと.
- 「ノー」と言う技術が身についていなければ,「忙しいだけの仕事」が増えるだけ.
- 予定がいっぱいという状況は,まず間違いなく「忙しいだけの仕事」を言い訳にして「本当の仕事」を避けているという状態.
- 「僕は,コミットできない仕事は断るのをルールにしています.この仕事を責任を持って引き受けることはできません」と伝えること.
仕事をしていて,一番やる気が出るのはどんな時でしょうか?
答えは「仕事が予定どおり進んでいる」と実感する時です.
「本当の仕事」が見極められれば,あなたの仕事は「これでまたゴールに一歩近づく」と実感できる仕事だけになり,やる気はどんどん高まります.そんな仕事のためにスキルと能力のすべてを絞り尽くせるなら,結局はそれがあなたの人生を豊かにしてくれるはずです.
新しいアイデアをチャンスと見て,ぱっと飛びつく人がいますが,それでは力を分散させてしまいます.事業でも,利益を上げたいなら,焦点を絞るのが王道.「本当の仕事」を見極めてコミットし,確実にやり遂げることです.
CHAPTER07|緊急の仕事を見分けよう
- 次々に来る仕事を入れる「バッファー・ゾーン」を設け,そこで一度整理をする.
- この「距離を置くこと」そして,そこで「仕事の整理をすること」が優れたシステムの基本になる.
- 大切なのは,バッファー・ゾーンで仕事を整理する上で,「緊急レベル」を3つに分けて見ていくこと:
- 緊急レベル1:今すぐ
- 緊急レベル2:今日中に
- 緊急レベル3:明日やる
- すべての仕事を「明日やる」のカテゴリーに入れるのが理想.
- 要は「仕事に必要以上の緊急性を与えない」こと.
- 「明日やる」で問題がない仕事は「今日中に」する必要はまったくない.
- どんな仕事も,まずは「明日やる」ことにするのが正解.
- 「今日中に」は1日の計画を狂わせる原凶であり,最小限にとどめるに越したことはない.
- そうなると,仕事の分類の選択肢は基本的に2つになる:
- 他の仕事を犠牲にしても「今すぐ」済ませるか,悪影響のないように注意しつつ「明日やる」か.
- そうなると,仕事の分類の選択肢は基本的に2つになる:
第2部|マニャーナの法則
CHAPTER08|最強のマネジメント・ツール「クローズド・リスト」
- 仕事を「明日やる」メリットは,クローズド・リスト(チェック・リスト)をフル活用できるということ.
- オープン・リスト(TO DO リスト)は,新しい仕事が無制限に追加されるため,仕事をコントロールできない.
- ムダなく効率よく働くためにチェック・リストは不可欠,新しい仕事に取りかかる時は「必要な行動のチェック・リストを作る」ことを習慣にする.
- チェック・リストを細分化して項目を増やすと,仕事に取りかかりやすく,作業効率もよくなる.
CHAPTER09|究極の仕事術「マニャーナの法則」
- 「マニャーナ」とはスペイン語で「明日」という意味,「明日やる」を基本にすることで,仕事を完全に終わらせる画期的な方法.
- 「マニャーナの法則」:
- 原則1|新しく発生した仕事は「明日やる」を基本にする
- 原則2|クローズド・リストを使う
- 「マニャーナの法則」の根底にあるのは「明日まで待てないほど,緊急な仕事はない」という考え方.
- 「1日に発生する仕事を集めて,必ず次の日にやる」.つまり,常に仕事に1日分の「バッファー・ゾーン」を設ける考え方.
- 「新たなタスクは翌日に」が原則.クローズド・リストを作成して,翌日にそのタスクに取り組む.
CHAPTER11|最優先の仕事をファースト・タスクにする
- ファースト・タスクは,あなたが「今,最も進めたい仕事」.
- 毎日の最初に行い,そこから1日をスタートさせるのが望ましい仕事.
- ファースト・タスクは「とにかく,する」「一番初めに,する」「毎日,する」が原則.
- 気分が乗る日はやれるだけ,調子の出ない日は5分間でかまわない.「毎日」する効果は,あなたの期待をはるかに超えるもの.
第3部|さらに優れたシステムへ
CHAPTER13|大切な仕事の先送りをなくす
- 「いつ休むか」のベストタイミングは「新しい仕事を始めてすぐ」
- 「新しい仕事に着手してから,休憩を取る」をルールにする.
CHAPTER14|ダッシュ法で圧倒的集中力を手に入れる
- たった5分間であれば,どんなにやりたくない課題でも取りかかれる.
- 短時間でも,とにかく手がけさえすれば,仕事は前に進む.
- そして,誰にも備わっている”現状を維持しようとする慣性の力”が,動き出したあなたを前へ前へと進めてくれる.
- 仕事が1つ終わった時点で休憩を取ると,心に「終了」という事実が刻み込まれてしまい,再開が難しくなる.
- 逆に,途中で仕事をやめると,気分が仕事を早く終わらせようと再開を望むようになる.
CHAPTER16|プロジェクトをやり遂げる
- 「仕事に向き合う」と「仕事を片づける」を区別する:
- 仕事を”片づける”:仕事に必要な”業務を処理すること”
- 仕事に”向き合う”:仕事の目的・意味を考える,構想を練る,目標を設定する,新しい企画を考える,計画を立案する,といったこと.
- プロジェクトに対して全体的な構想が持てないならば,やり遂げることは難しいということは心すべき.
- 「どんなに短くても,考えないより,考える方がよい」ということを忘れない.