仕事に追われない仕事術

本書に登場する18のキーワード

  • 1|クローズド・リスト
    • 仕事は「ここまで!」と制限するラインが引かれたリスト.
  • 2|オープン・リスト
    • 「ここまで!」という制限を示すラインのない仕事のリスト.
  • 3|チェック・リスト
    • ある仕事の作業工程や手順,やるべきチェック項目を並べたリスト.
  • 4|コミットメント
    • 「私はこの仕事に集中する」「この仕事を引き受ける」と自分自身と周囲に宣言すること.
  • 5|本当の仕事
    • 計画を目指すところに前進させる根幹となる仕事.綿密な計画と入念な思考を要するチャレンジングな仕事でもある.
  • 6|忙しいだけの仕事
    • レベルの高い計画や思考が不要な”作業的な”仕事.
  • 7|バッファー・ゾーン
    • 仕事とは心理的距離を取る必要があり,バッファー・ゾーンはその距離のことを指している.
    • これがあると新しい仕事に反射的に反応せず,緊急度を判断し,どのように取り組むかなど,適切な判断をした上で取り組むことができる.
  • 8|マニャーナの法則
    • 「新しい仕事は明日やる」を基本にする仕事術.
    • 1日に発生する仕事を集めて類別し,翌日にまとめて処理する.
  • 9|タスク
    • 仕事の単位.手間のかかるタスクは,さらに小さなタスクに細分化して管理するとよい.
  • 10|プロジェクト
    • 「複数のタスクの集合体」のこと.タスクがさらに細分化できるなら,元のタスクはプロジェクトとなる.
  • 11|タスク・ダイアリー
    • タスクを管理するための1日1ページ形式の日記帳.
    • タスクは,ここに書き留めることで,仕事の単位としての実体を持つことになる.
  • 12|デイリー・タスク
    • 毎日欠かさず(あるいは週に何度か)する仕事.
  • 13|ファースト・タスク
    • 今,最も進めたい仕事を1つ選び「毎日の最初の仕事」として必ず手がけることにする.
  • 14|TO DOリスト
    • するつもりの仕事すべてが網羅されたリスト.オープン・リストの典型である.
  • 15|WILL DOリスト
    • すると決めた仕事のリスト.その日にするとコミットした仕事だけが記載されるクローズド・リストとなる.
  • 16|ダッシュ
    • 短時間(5分から最長40分)ダッシュするように,休みなく集中して働く方法.
  • 17|期限の効果
    • 仕事の期間となる終了時間を明確にし,制限のある状況で働くことで,集中力を高め,仕事の効率を向上させる効果のこと.
  • 18|ラベリング
    • 浮かんでくる考えや,思いに名前(ラベル)をつけること.


第1部|タイム・マネジメントの基本的考え方

CHAPTER02|問題はシステムで解決する

  • 問題はあれこれ集中の対象が変わってしまうこと.
    • 邪魔が入れば,すぐに途切れる集中力ではダメで,脳の力をフル活用するには”集中力の継続”が必須
    • やり遂げたい仕事に対し,充分な集中力を継続して発揮できるかどうかが鍵.
  • 仕事の効率を上げるには,優れたシステムが必須であり,優れたシステムが構築できるのであれば,時間と費用をかけても絶大なリターンがある.
    • 優れたシステムの持つ特徴とは,一度身についてしまうと「しない」ことにものすごい抵抗感を覚えること.

CHAPTER03|機能するシステム・7つの原則

原則1|「明確なビジョン」が存在する

  • ビジョンを明確にするための鍵は「何をしないか?」にかかっている.
    • 「NOT TO DOリスト」をつくる:
      • 午後11時から午前11時までは電話に出ない
      • 進行中のプロジェクト以外の仕事には手を出さない
      • 計画した仕事が完了するまで他のことをしない

原則2|「一事に集中」する

  • 成功への王道は「一事に集中し,できたら次に進む」という方法.
    • 成果が出ない原因は「仕事を抱えすぎる」ことにある.
  • 1つのことに完全に集中する:
    1. 完了するまで,その課題に集中する
    2. 完了するまで,他のことには手を出さない

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原則3|「少しずつ頻繁に」行う

  • 「毎日,コツコツ」の2つのメリット:
    1. やってみれば,その経験を通して,学んだことを消化できる
    2. 新たな学びから,新しいアイデアが生まれる

原則4|「リミット」を設ける

  • 創造力の発揮には”制限すること”が有効.
    • 何かを創造しようと思ったら「何でもあり」ではなく,制約を設けることで,焦点を明確にする方が有利.

原則5|「クローズド・リスト」を使う

  • 「クローズド・リスト」とは,「ここまで!」というラインが引かれた仕事のリスト.
    • 反対は「オープン・リスト」であり,典型的な例が「TO DOリスト」.
  • クローズド・リストは大きくならない(それ以上仕事が増えない).

原則6|突発の仕事を減らす

  • 今日やろうと決めた仕事がその日に終わらない理由は,「邪魔が入るから」つまり,突発の仕事が予定に入り込むから.

原則7|コミットメントと興味を区別する

  • 何かにコミットするならば,それ以外の対象はコミットしないものとして,排除しなければならない.
    • 「興味」と「コミットメント」は区別しなければならない.
      • 「これにコミットするには,何を始めるべきだろうか?」
      • 「これにコミットするには,何をやめるべきだろうか?」
      • 「これにコミットするために,私はどれだけの犠牲を払う覚悟があるだろうか?」

「1つのことに集中し,それが完了してから次に進む」これが成功の王道.

CHAPTER05|TO DOリストと優先順位の限界

  • TODOリストは「その日に入る仕事」と「その日に処理すべき仕事」の関係が無視されている.
  • コミットする仕事を絞って「仕事を抱えすぎない」ことがとくに大切.

CHAPTER06|「忙しいだけの仕事」を捨てる

  • 新しい仕事が出てきたら,まずは既存の仕事への影響を考える.
    • 新しい仕事が来たら,引き受ける前に必ず「この仕事は,既存の仕事より価値があるか?」をまず自分に問いかけること.
  • 「本当の仕事」を見極め,目標に近づく極意とは,「まず『ノー』と言ってしまう」こと.
    • 「ノー」と言う技術が身についていなければ,「忙しいだけの仕事」が増えるだけ.
    • 予定がいっぱいという状況は,まず間違いなく「忙しいだけの仕事」を言い訳にして「本当の仕事」を避けているという状態.
    • 「僕は,コミットできない仕事は断るのをルールにしています.この仕事を責任を持って引き受けることはできません」と伝えること.

仕事をしていて,一番やる気が出るのはどんな時でしょうか?

答えは「仕事が予定どおり進んでいる」と実感する時です.

「本当の仕事」が見極められれば,あなたの仕事は「これでまたゴールに一歩近づく」と実感できる仕事だけになり,やる気はどんどん高まります.そんな仕事のためにスキルと能力のすべてを絞り尽くせるなら,結局はそれがあなたの人生を豊かにしてくれるはずです.

新しいアイデアをチャンスと見て,ぱっと飛びつく人がいますが,それでは力を分散させてしまいます.事業でも,利益を上げたいなら,焦点を絞るのが王道.「本当の仕事」を見極めてコミットし,確実にやり遂げることです.

CHAPTER07|緊急の仕事を見分けよう

  • 次々に来る仕事を入れる「バッファー・ゾーン」を設け,そこで一度整理をする.
    • この「距離を置くこと」そして,そこで「仕事の整理をすること」が優れたシステムの基本になる.
    • 大切なのは,バッファー・ゾーンで仕事を整理する上で,「緊急レベル」を3つに分けて見ていくこと:
      • 緊急レベル1:今すぐ
      • 緊急レベル2:今日中に
      • 緊急レベル3:明日やる
  • すべての仕事を「明日やる」のカテゴリーに入れるのが理想.
    • 要は「仕事に必要以上の緊急性を与えない」こと.
    • 「明日やる」で問題がない仕事は「今日中に」する必要はまったくない.
    • どんな仕事も,まずは「明日やる」ことにするのが正解.
  • 「今日中に」は1日の計画を狂わせる原凶であり,最小限にとどめるに越したことはない.
    • そうなると,仕事の分類の選択肢は基本的に2つになる:
      • 他の仕事を犠牲にしても「今すぐ」済ませるか,悪影響のないように注意しつつ「明日やる」か.


第2部|マニャーナの法則

CHAPTER08|最強のマネジメント・ツール「クローズド・リスト」

  • 仕事を「明日やる」メリットは,クローズド・リスト(チェック・リスト)をフル活用できるということ.
    • オープン・リスト(TO DO リスト)は,新しい仕事が無制限に追加されるため,仕事をコントロールできない.
  • ムダなく効率よく働くためにチェック・リストは不可欠,新しい仕事に取りかかる時は「必要な行動のチェック・リストを作る」ことを習慣にする.
    • チェック・リストを細分化して項目を増やすと,仕事に取りかかりやすく,作業効率もよくなる.

CHAPTER09|究極の仕事術「マニャーナの法則」

  • 「マニャーナ」とはスペイン語で「明日」という意味,「明日やる」を基本にすることで,仕事を完全に終わらせる画期的な方法.
  • 「マニャーナの法則」:
    • 原則1|新しく発生した仕事は「明日やる」を基本にする
    • 原則2|クローズド・リストを使う
  • 「マニャーナの法則」の根底にあるのは「明日まで待てないほど,緊急な仕事はない」という考え方.
    • 「1日に発生する仕事を集めて,必ず次の日にやる」.つまり,常に仕事に1日分の「バッファー・ゾーン」を設ける考え方.
  • 「新たなタスクは翌日に」が原則.クローズド・リストを作成して,翌日にそのタスクに取り組む.

CHAPTER11|最優先の仕事をファースト・タスクにする

  • ファースト・タスクは,あなたが「今,最も進めたい仕事」.
    • 毎日の最初に行い,そこから1日をスタートさせるのが望ましい仕事.
  • ファースト・タスクは「とにかく,する」「一番初めに,する」「毎日,する」が原則.
    • 気分が乗る日はやれるだけ,調子の出ない日は5分間でかまわない.「毎日」する効果は,あなたの期待をはるかに超えるもの.


第3部|さらに優れたシステムへ

CHAPTER13|大切な仕事の先送りをなくす

  • 「いつ休むか」のベストタイミングは「新しい仕事を始めてすぐ」
    • 「新しい仕事に着手してから,休憩を取る」をルールにする.

CHAPTER14|ダッシュ法で圧倒的集中力を手に入れる

  • たった5分間であれば,どんなにやりたくない課題でも取りかかれる.
    • 短時間でも,とにかく手がけさえすれば,仕事は前に進む.
    • そして,誰にも備わっている”現状を維持しようとする慣性の力”が,動き出したあなたを前へ前へと進めてくれる.
  • 仕事が1つ終わった時点で休憩を取ると,心に「終了」という事実が刻み込まれてしまい,再開が難しくなる.
    • 逆に,途中で仕事をやめると,気分が仕事を早く終わらせようと再開を望むようになる.

CHAPTER16|プロジェクトをやり遂げる

  • 「仕事に向き合う」と「仕事を片づける」を区別する:
    • 仕事を”片づける”:仕事に必要な”業務を処理すること”
    • 仕事に”向き合う”:仕事の目的・意味を考える,構想を練る,目標を設定する,新しい企画を考える,計画を立案する,といったこと.
  • プロジェクトに対して全体的な構想が持てないならば,やり遂げることは難しいということは心すべき.
    • 「どんなに短くても,考えないより,考える方がよい」ということを忘れない.


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