気にしない練習

はじめに──「気にしない人」になるための手がかり、足がかり

人生には,記憶に留めるべきワンカットもあれば,被写体として選ばないほうがいい情景もあります.

つまり,気にすべきこと,気にしたほうがいいことがある一方で,気にしないほうがいいこと,気にすべきでないこともあるのです.

気にしたほうがいいことは,自分を高め,他人を安心させること.「こうしたほうが自分はよい方向に向かうだろう」「こうすればあの人は楽になるだろう」などです.

現状より向上する可能性があるのなら,気にしたほうがいいのです.

気にしないほうがいいことは,気にしても自分が向上できそうもないこと,あるいは自分をみじめにするようなことでしょう.

それから,気にすべきでないことは,自分の力ではどうしようもないことです.


1章|もっと「鈍感力」を磨く

  • しっかりした力を持っている人がいい加減なのは,とても粋.
  • 自分をどう思うかは相手の問題であって,相手の心をコントロールすることはできない.
    • 無理をして"いい子"になろうとするので,結果として疲れる.
  • 人からの評価より,自分がやっていることの満足度を優先する.
  • 自分なりのルールでうまくやってきた人が,ルールの異なる相手に,自分のルールを押しつければ摩擦が起きるのは当然のこと.
  • 自然体で振る舞える人が,結局は一番強い.どんなことにも臨機応変に対応できる人.
    • 気構え,力むのを解消するのに最も適した方法は,ほのかな明かりの部屋で,心静かにする時間を持つこと.
      • そうすると力が入っていた心が緩み自然体に近づく.気が緩むのではなく,心が緩む.
    • 構えていても,予想通りのものが来るとは限らないことを知っておくこと.
      • 想定を超えた条件が加われば,構えていた姿勢では対応できなくなるため,最初から気構えても仕方がないとあきらめる勇気を持つ.


2章|それは、あなたの「考えすぎ」

  • "人"を対象に比較するのではなく,"行為"だけを自分の心の錆止め,防腐剤として利用する.
    • "人"を軽蔑するのではなく,その人が"やっていること".をしない自分,その人の"よこしまな考え"をしない自分にOKを出せばいい.
  • 自己評価が高い人は,他からの評価がほとんど気にならない.
    • 仏教では高い自己評価はとても大切な考え方.いわゆる I am OK. を出せるか否かは,人生をおだやかに過ごせるかどうかに関わる問題.
  • 物への執着は,心の表れ.その執着心を捨てることで,心が軽くなる.
    • 物を捨て,片づければ,部屋の中がサッパリするだけでなく,心も清々しく,さわやかになる.


3章|うつうつした時は、こう考える

  • 失敗を恐れないでいたい2つの理由:
    1. 世の中はやらないとわからないことばかり.やれば失敗するのは当たり前.失敗を恐れていると何も身につかないから.
    2. 失敗をすればするほど同様の失敗をした人に対して寛容になれるから.
  • 人間としての成熟は,たくささんの失敗から多くのことを学び,人の失敗を許せるようになること.
    • たくさん失敗して,たくさん学んで,たくさん許せるような生き方をしましょう.
  • 嫌われたくないという恐怖の紐であやつられていることに気づく時期が,人生の中では必要.
    • 人をガッカリさせてはいけない,期待に応えなくてはいけないなんて思わなくてもいい.
    • 自分は自分なりに正しい道を歩もうとしている,あるいは実際に歩んでいる自信があれば,それでいい.

考えれば考えるほど人格が高くなるとは言いませんが,少なくとも思慮深い人は考えることをしている人,他人のことも自分のこともよく知ろうとしている人です.

  • 「悩む」と「考える」は違う:
    • 堂々巡りしているだけで結論へ到達しないのが悩む.それに対して,一つ一つ思考を重ねて結論に至ることを考えると言う.
  • たくさん助けてもらって生きていることを,しみじみと味わったほうが,ずっと豊かな人生になる.


4章|比べない、責めない、引きずらない

ぞっとするほどすごい人の中には,立派な大人も多いもの.

こちらに向けて手を差しのべ,あるいはこちらの場所までおりてきて,背中を押してくれる人もいます.

遠慮なく,その人に近づけるように,用意された階段を一足一足登ればいいのです.

  • 人には生まれ持った才能もあるが,眠っている才能もある.
    • その才能をよびさますのに一番いい方法は,やはり努力でしょう.
    • そして次に,うらやましい才能を持っている人にアドバイスを受けること.

自分のやったことを自慢し,ひけらかしたくなるなら,その前に,自分がしたことの裏側にどれほど多くの人の助けがあったことかを考えるべきでしょう.

今日一日をとって見ても,自分がやったことより,やってもらったことのほうが,圧倒的に多いのですから.

  • 人生を上手に生きていくには,運より才覚.才覚より人格.


5章|人生をシンプルに変えるヒント

──相手が身構えないと聞けない話し方は,日常会話ではルール違反です.「話し方の基本は,作るな・気取るな・えらぶるなです」──

人前でしゃべらなくてはいけないというだけで,普段のしゃべりと違って,自分を作り,気取り,えらぶってしまうものです.

「えー,本日はまことに」なんていったら,この基本からはずれたということ.「えー」なんて言わずに,普段どおりに「今日は本当に」と言えば,相手は素直に聞いてくれます.


6章|「今」「ここ」を大事に生きる

自分でできる限りのことをしたら,その結果は天の意思に任せるしかないと一区切りつけるのは,次にやりたいこと,やるべきことをスタートさせるのにとても大切な考え方です.

「果報は寝て待て」ではなく,「練って待て」だと心得たいものです.これ以上はできない,自分でできるのはここまでと割り切ればいいのです.

やるべきことをやった後にさっぱりしている人には充実感が残ります.その充実感が,人生を確実によい方向に導いてくれます.

  • 大切なのは「仮に出番がなくても,私はこれでいい」と高い自己評価ができるように,コツコツと鍛錬を怠らないこと.
  • 「いい物」「好きな物」を探すアンテナを張って,引っかかった物から着手してみる.
  • 周りからの評価に一喜一憂せず,自分のやるべきことをやる勇気を持つ.


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