超訳 ダ・ヴィンチ・ノート

CHAPTER1|自尊力

  • ダ・ヴィンチ力のうち,根底をなす力が自尊力.
    • 自尊力は,「自己肯定感」とは似て非なる概念.
    • 自己肯定感は,ありのままを受け入れる「守りの姿勢」であるのに対し,自尊力は,積極的に「攻めの姿勢」で自分の尊厳を高めていく力を意味する.
    • 困難に遭遇しても,自分と相手を把握してすべきことを実行すれば,乗り越えられる.
  • ダ・ヴィンチが生涯続けたことは,自己表現のアウトプットであり,自分のメッセージを伝えること.
    • 「調べてノートに書き続ける」,そして「とにかく絵を描き続ける」という2つのシンプルな繰り返しからすべては生まれた.
    • 続けることが自尊力にもつながり,次第に周囲からも認められる存在になった.
  • 他人の言うことをいちいち気にしていては,自尊力は伸ばせない.
  • 「いいね!」と感じたことをそのままで終わらせずに,自分も取り入れてみる.
    • そうやって部分部分を少しずつ磨き,他人のいいところを自分にコラージュして貼り合わせることで,段々と理想的な自分が出来上がっていく.
  • 自分の望みを叶えるには,まず相手の望みを叶えることが先決.
    • さまざまな成功体験を積み重ねていき周囲から支持を得ることで,やがて本当にしたいことに集中できる.


CHAPTER2|没頭力

  • ビル・ゲイツは,自分の体験を通してこう言っている:
    • 「成功のカギは,的を見失わないことだ.自分が最も力を発揮できる範囲を見極め,そこに時間とエネルギーを集中することである」
  • 発見は観察から,観察は疑問から生まれる.
    • 皆が当たり前,常識と思っていることを疑い,関心を持つことで,新たな視界が開けてくる.
  • 自分がしたいことを見つけて貪欲に学べば,効率的に吸収し,高い成果を上げることができる.
  • やり切ってこそ,他者から抜きん出ることができる.

ダ・ヴィンチの行動から学べることは,常に没頭しさえすればいいのではなく,リズミカルな緩急も必要だということ.

 いくらのめり込んでいることであっても集中が途切れることもあるし,新たなアイディアを練る時間もいります.

手を動かす作業はしていなくても,常に念頭におきながら他の行動をすることで,ひらめきを待つことも大切です.


CHAPTER3|洞察力

  • 洞察力とは,目に見えない隠れた本質を見極める能力を指す.
  • 問題に対して少し動的な働きかけを意識することで洞察力も磨かれていく.
    • 疑問を持って質問をする.
    • 耳で聞いた情報ではなく,実際に自分の目で確かめてみる.
    • 意外な比較をして検証をする.
    • 先を見通して今すべきことを逆算する.
    • 常識の枠組みを外して物事を考える.
  • 仕上げのイメージが明確にあるからこそ,必要な過程が決まる.
    • この順番で物事に当たると,自然と洞察力が高まる.

20年以上連載を続けているワンピースの作者の尾田栄一郎さんは言います.

「最後だけ決めている.そこまでどうたどり着くかは別に決めていない.その代わり,どういう道を通っても絶対面白くなるラストは考えてある」.

  • 何事も比較して考える癖をつける
  • モヤモヤは物事が進まないこと自体より,うまくいかない原因がわからないときに大きくなる.


CHAPTER4|創造力

  • 日本はイノベーションをするよりも,リノベーションを得意とする国. -「0から1」,つまり無から有を生み出すイノベーションに対し,リノベーションは既存のものを改良し,「1を2,あるいは3にも5にもすること」.
  • 創造力とは,熟考して卓越した部分を選び組み合わせる力.
    • 我流で無理してゼロから生み出すよりも,優れたものを組み合わせればいい.
    • ダ・ヴィンチのリノベーションには基準が3つある:
      1. 先人の発想を学ぶこと
      2. 既存のものに自分のメッセージを加えること
      3. 見た目を洗練させ新しく見せること
  • モナ・リザ』の魅力はなんと言っても「ミステリー」
    • そもそも誰を描いたのか.なぜ背景に大自然を描いたのか.なぜ微笑んでいるのか.なぜ喪服のようなくらい色合いの服を着ているのか.
    • ミステリーは想像を掻き立て,効果的に人の心を惹きつける.
  • グーグルでは,意図的に本業とは関係のない時間を持つ「20%ルール」が行われてきた.
    • 普段と違う時間を過ごすことで,Gmailなどの新しいサービスが生まれた.
    • 忙しくなると本業に集中しがちになるが,意図的に未知なるものと触れる時間を過ごすことで,局面を打開することが可能になる.


CHAPTER5|対人力

たった1人でも連れがいれば,あなたは半分になる.

付き合いが増えるだけ,あなたは何もできなくなる.

つまり,もしあなたが大勢の人と一緒にいればいるほど,不自由な人生を送ることになる.

  • ダ・ヴィンチは,人と一緒にいることで自分の時間が奪われ,せっかくの才能が伸ばせないことを嫌った.
  • 他人に合わせた他人の人生を生きるべきではない.

自分本位に時間を最大限有効活用したのが,ダ・ヴィンチでした.

ひとりぼっちと感じたときは,寂しさを感じるピンチではなく,誰にも邪魔されないボーナス期間.

自分のすべてが自分のものであり,存在を花開かせるチャンスなのです.

  • ダ・ヴィンチは,その人の「学習態度」で接する人を選んでいた.
    • 支えてくれる人がいれば,よりよい自分へと向上することができる.
    • あなたを信頼し,応援し,よき方向に導いてくれる仲間を見つければ,目標達成も近づく.
  • 他人を変えることはできない.変えることができるのは「今の自分」,そして「未来の自分」.
  • 人は自分を理解してくれる人を好きになる.
    • 反対にわかってくれない,自分に興味を示してくれない人は遠ざけようとする.
    • 仲を深めたい人がいれば,相手と自分の共通点を見つけたり,相手の好きなことに興味を持つこと.


CHAPTER6|実践力

  • 時代を超えて読み継がれる名著には,普遍的な強さがある.インプットしておいて損はない.
  • 就寝前の1〜2時間はきわめて学習効果の高い「記憶のゴールデンタイム」
  • 才能を発揮して脚光を浴びている人も,いきなり当選していたわけではない.
  • 人に伝える際には,文字より視覚を優先させると,伝わるスピードもインパクトも倍増する.
  • ストレスに感じたこと,不安や悩みなど,その日感じた感情をひたすら書き出す.
    • 自分の感情を言葉にすることで,脳の前頭葉が不安や緊張を抑えてくれる効能がある.