愚直に、考え抜く。
- 作者:岡田 光信
- 発売日: 2019/07/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
序章|自分を超えつづけるための方法論はある
- 自分を超えつづけるための2つの「方程式」:
- 課題方程式:(課題)=(あるべき姿)ー(現実)
- 実現方程式:(実現)=(思考)✕(行動)
- 考えていないことは起きないし,行動していないことは起きない.
- 頭がちぎれるくらい考え,足が棒になるほど行動することで,最大の自分を実現することができる.
- ①夢想力
- 自由な発想に基づいたオリジナルな「あるべき姿」を考える力.
- 「あるべき姿」と現実との差分を課題とし,「私はこの課題にケリをつける」という明確な目的を定める力.
- ②孤考力
- 「あるべき姿」にたどり着くための親課題・子課題を定義し日々解く力.
- 大きな課題や,相互に絡みあった課題を,解決できる程度に細分化し,部分的に解決しつづけ,「あるべき姿」への成立解を進化させる力.
- ③広動力
- 孤考力に裏付けされたアクションを,圧倒的な行動量で実施し,「あるべき姿」に少しずつ近づく力.
- 孤考力に前向きなフィードバックを与え,「あるべき姿」にたどり着く力.
第1章|夢想力
- 結局,未来は予測しても意味がない.未来は予測するものではなく,自分の意志でつくり出すものだ.
- 「あるべき姿」に答えはない.あなたの自由だ.オリジナルでよい.誰かから指図されるものでもなく,誰かから教わるものでもない.
- ソフトウェアがコモディティ化してきたことを肌身で感じていて,今後はハードウェアとの組み合わせでなければ世界で勝負できないと思っていた.
- 「あるべき姿」を考えるのに調査と分析を使用すると,思考は止まり,予測というオリジナリティに欠けたものに陥ってしまう.
第2章|孤考力
2-1|ひとりで考える。ひとりで考え抜く
- 孤考.新たな自分に踏み出す行動へと自分を誘うのは,ひとりで考える時間である.
- 一瞬の刺激やヒントはインプットでしかなく,得た情報を加工処理して実のあるものにするのは,「孤考」である.
2-3|思考する「型」をつくる
- 孤考を思考の一時的な流行ではなく思考の習慣にしてしまうことこそが,自分を超えつづけるための要諦である.
- 孤考の種明かし:
- 親課題を定める.
- 課題を場合分けで細分化する.
- 子課題を解決する選択肢を最大限並べる.
- 解決のためのオプションすべてをあたる.イケそうな,筋のよい解決オプションがあれば,それを実現するための課題を再び場合分けで並べる.
- 2~4を繰り返す.横に,縦に枝分かれが続く.不要な枝は枝打ちで切り落とす.
- どんなに難しい問題でも細分化はできる.細分化によって,解けないと思っていた親課題の中の,ほんの小さな課題の何かが解決する.
- 親課題が一歩進化するとともに,他の親課題に潜む子課題にもポジティブな影響を与えていく.
- すべての選択肢をあたることによって,初めて筋のよい/悪いの判断の感度が上がる.
- 大きな解決はできなくても,小さな前進はできる.
- 大きなことを成し遂げた人は,大量の小さな前進によってできている.
では,どこまで細かくすればいいのだろうか.どれだけ粒度を高めるといいのだろうか.
私の考えはこうである.想像を絶するほど小さく,だ.解決がものすごく簡単になる.
2-5|解決策を最大限挙げ、並べつくす
- 課題の粒度を,解決策が思いつく程度に細かくしていく.細かくしたら,今度は,解決策を最大限に並べてみる.
- 選択肢をつくることは希望である.
- 解決法を広げたら,全部の選択肢に対してアクションを取る.そうすると,それぞれの選択肢の成功確率に濃淡がつく.
- 成功確率が高そうな選択肢に対して,子課題が見えてくる.
- 成功確率が低いと思った選択肢は深追いしない.
2-6|アクションを細分化する。徹底的に
- 解決策のオプションが広がれば,次は,実行と選択.
- 実行のコツは,アクションも細分化することである.しかも徹底的に.
- 孤考力のひとつのポイントは,課題を目の前にして,それに対する行動を極力細分化することでなにか小さい動きを起こし,壁を崩し,課題が進化していくことである.
2-7|常に構造化して書き出す
- とにかく,整理する.構造化をする.構造化しながら書く.書かなければ,思考は雲散霧消する.
- 新しく得る知識も構造化する.自分なりの分け方をすることで知識が頭に入る.
- 今学んでいる知識が,知識の地図上のどこなのかがわかること.
- 構造化は,そんな洪水のどとく押し寄せる数々の議論や分析の中で溺れないですむための羅針盤になりうる.
2-8|「コソガ法」で論理と優先順位を確認する
- 論理が固まっていないのに「〇〇こそが,最善の選択肢」と言葉にしてみると,その軽薄さに自分で気づくことになる.
- 「コソガ法」は論理と優先順位の「ウソ発見器」である.
- 理由がなければ,未熟な仮説の域を出ていない.
2-9|撤退のジャッジメントをする
- プランAを選び,課題をさらに解いていると,どうしても解けない問題が出てくる場合がある.そうしたら,すぐにプランBだ.これを「撤退のジャッジメント」という.
2-10|「2倍未満の法則」で新規学習を効率化する
- 「あるべき姿」にたどり着くには,いろんな基礎知識を持っていなければならない.課題の解決法を考える際に判断ができないからだ.
ひとつの参考書は,4回やると決めていた.
1回目にかかった時間を1とする.2回目はわからなかった場所だけやればよいので,かかる時間は1/2になる.
3回目を1/4,4回目を1/8の時間でやると,1+1/2+1/4+1/8=1.875となる.
もし5回目を1/16の時間でやっても,1.875+1/16=1.9375となり,必ず1回目の2倍以下の時間となる.
つまり,物事を完全にマスターするのに,最初にやった時間の2倍はかからない,ということになる.
- 最初に一通り読むのに2ヶ月かかったのなら,全部を理解するのは合計4ヶ月でできてしまう.
第3章|広動力
3-1|広く動く。すべての「局地戦」に勝つ
- 孤考力があると,どんな行動も,ある課題を解くという目的のために行うことになる.
- たった今の小さい行動は,どの親課題や子課題に影響を及ぼす行動なのかが,頭の中で明確になる.
- すべての行動は,仮説の検証となる.
- 行動の最大の目的は,孤考にフィードバックを与えて,次の行動をよりよいものに進化させることである.
- 人間には,自分の判断がいつも正しいと思う正常性バイアスがかかっている. だから,常に孤考力によって,自分の思考に広がりと客観性をもたせる必要がある.
3-3|全選択肢にあたり,課題を進化させる
- 全選択肢にあたる.ここに効率の本質がある.
- 多くの選択肢にあたるから,選ぶべき選択肢がわかる.
- すべての選択肢を一度はあたってみよう.そうすることで,濃淡がつくはずだ.
- それぞれの解決オプションごとに,新たな課題が見つかるはずだし,一方で可能性が低いものを深追いする必要はなくなる.
- 広く動くと,課題の全体像がリフレッシュされるのである.