まんがでわかる|デザイン思考
第1章|創造的覚悟
- イノベーションとは:
- 「今まで誰も気付けなかったアイデア・視点・方法で物事を改善すること」
- 「デザイン思考」:
- 本書では,「新しいアイデアの実施を通じて価値を創造する」デザイン思考のプロセスを解説していく.
第2章|着想①「潜在的ニーズ」
まんが
- 「過去に何が成功・失敗したか」を知ることは非常に重要.
- デザイン思考の最初のプロセスは「着想」
- 人の欲求は2つに分けることができる:
- 既に皆が知っている欲求「表面化されたニーズ」
- まだ誰も気づいていない「潜在的ニーズ」
もし,見つけた潜在的ニーズがより本質的なもの,つまり人間にとって強い欲求だった場合,その潜在的ニーズから生まれたモノ・サービスは多くの人間の生活を変える.
つまり,「イノベーション」が起こる.
- 「未来」をユーザーに聞くのはやめた方が良い.ユーザーは自分の知っている現実と比較してしかモノを言わない.
- この世のモノ・サービスはすべて対象となる「人間の心」をポジティブにするために存在する.
- 重要なのは「人の心を満たすこと」
解説2|潜在的ニーズを見つけ出すプロセス「着想」
- 「着想」の定義:
- 「ソリューションを探り出すきっかけになる問題や機会」
- 価値あるモノ・サービスの開発につながる手がかりを見つけるプロセス.
- デザイン思考では,「潜在的ニーズ」こそが見つけるべき重要な手がかりであり,潜在的ニーズを見つける手法として「観察」を重視する.
- なぜなら観察が最もバイアスが少なく,直接的に潜在的ニーズにアクセスできる方法だから.
- 観察は直接「人間の行動」を見るため,バイアスが少ない.
- 人間の行動はそのまま「その人間のしたいこと(本質的欲求)」の現れ.
第3章|着想②「普通を見直す」
まんが
たとえ本人がソレを「欲求」と認識できていなくとも,欲求がそこにあるならば,必ずその欲求は行動に現れる.
それを見逃さず察知する.それがデザイン思考だ.
- 「これはそういうモノだから仕方ない」というものこそ,疑うべき.
- そして,小さなサインを見つけたら,通りすぎずに立ち止まってその意味を考えること.
解説3|「観察」を成功させるための心得
- 潜在的ニーズを見つけ出すことは,次の3つの理由から,非常に難易度の高い作業といえる:
日常生活における「何かがおかしい」「不便だ」「素晴らしい」「もったいない」という自分の心の小さな変化・バグを看過せず,その場で記録することを習慣化することで,「観察のセンサー感度」を磨くことができる.
また,バグを記録するだけでなく,そのバグに対しての自分の所見や改善アイデアを併記することで思考力が鍛えられる.
第4章|着想③「カスタマージャーニー」
まんが
- カスタマージャーニー:
- 顧客がモノ・サービスを利用する過程を「旅」に見立てて書き出す.
- 顧客の経験をモノ・サービスの各段階で区分けして観察することで,「どこ」に問題があるかより発見しやすくなる.
- 「いかなる個人よりも全員の方が賢い」
- デザイン思考の格言
- イノベーションを起こすには,「ひらめき」を得る機会を増やすことが重要.
- 1人より複数人の方が当然機会は増える.
解説4|デザイン思考の5つの観察手法
- エクストリームユーザー:
- 平均的な方法や作成者が想定した方法でモノ・サービスを使用しない,少数派の「極端な利用者」のこと.
- 例:「子供」「初心者」「プロフェッショナル」「愛好家」
- 平均的なユーザーより,「潜在的ニーズ」が行動に現れやすく,見つけやすい.
- 平均的な方法や作成者が想定した方法でモノ・サービスを使用しない,少数派の「極端な利用者」のこと.
第5章|発案①「ブレインストーミング」
まんが
- 「支配欲」はデザイン思考の天敵:
- 人間はすぐに人を支配したがる.相手を否定し己を誇示し,マウントして優越感にひたる.
- そんな自由のない空間では「ひらめき」は生まれない
解説5|「ブレインストーミング」でアイデアを創造する
- 発案は「アイデアを創造,構築,検証するプロセス」とされ,潜在的ニーズから実際のモノ・サービスを作り上げていくプロセス:
- 「良いアイデアを得る最良の方法は,たくさんのアイデアを得ることだ」
- 選択をする際には選択肢が多いほど比較検討の精度が高まり,選択の成功率が上がるということ.
- その前提として,多様性に富む数多くのアイデアを生み出す必要がある.
第6章|発案②「プロトタイピング」
まんが
- プロトタイピングの極意:
- 最初は,コンセプトを検証できる部分だけ作れば良い.可能な限り「安く」「速く」.
- デザイン思考では,プロトタイピングを「小さく失敗すること」ととらえている.
- 1回のプロトタイピングに時間をかければかける程,ソレは「失敗が許されないモノ」になってゆく.
- 「モノ・サービス」を生み出す時,そこには考慮すべき3つの要素がある:
- 「技術的実現性」:現在または近い将来に実現可能な技術であるかどうか
- 「経済的実現性」:コスト的に実現・存続可能なビジネスかどうか
- 「有用性」:人間の真なる欲求をとらえておりポジティブな感情をもたらすかどうか
完璧である必要はないし,完璧なモノなどこの世に存在しない.この商品を使う人が満足できる機能・価格・使い心地ならばそれでいいんだ.「バランスを取る」という気持ちで問題を見直してみれば,思ったより道幅が広いことに気づくものだよ.
解説6|「プロトタイピング」で構築し検証する
- プロトタイピングは,最速で最善に至る方法.
- プロトタイピングは,「たくさん失敗すること」が重要.
- デザイン思考では,「有用性」を中心に据えて他の2つのバランスを取ることを意識する.
- 最初に,満たすべき人間の欲求である有用性を確定し,有用性が最も満たされる技術と価格のバランスを探る.
第7章|実現「プレゼンテーション」
まんが
- 「実現」こそが最も困難なハードルとなることも多い.
解説7|「実現」で市場への導入を成功させる
- イノベーティブなモノ・サービスが,経営陣の承認を得ることの難しさ:
- 組織は大きくなればなるほど複雑な人間関係を内包し,様々な感情と思惑が飛び交う.
- また,その組織ごとに承認を得るために必要な独自のプロセスも存在する.
- イノベーティブなモノ・サービスには,過去の前例・実績がないという難点が存在する.
- あなたが創ろうとしているモノ・サービスがどのようなものなのか,その機能を理解してもらうために最適な手段は,実物(試作品)を見せること.
- 「企画書がなかなか通らない」「言葉のやり取りではうまく意図が伝わらない」.そのようなときに,実物が手元にあるだけで,プレゼンや議論の充実度は確実に上がる.
- ファンを経営陣に数多く作ることができれば,市場に導入できる可能性は非常に高まる.
- 「理解」「共感」「支援者」の3要件が最も成功した時,そのモノ・サービスのプロジェクトは,実現に向けて踏み出すことになる.