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理系のための口頭発表術

理系のための口頭発表術―聴衆を魅了する20の原則 (ブルーバックス)

理系のための口頭発表術―聴衆を魅了する20の原則 (ブルーバックス)

序論 どんなにすばらしい研究もダメ発表がダメ研究にする

  • 口頭科学発表は,単なるノウハウや「こつ」ではなく,努力して習得する専門技能なのである

第1章 いかに準備すべきか

  • 発表は常に,聴衆を念頭において準備しなければならない
  • 聴衆は,私の話についてこられるだろうか? 私の発表から,何を学び,何が記憶に残るだろうか?
  • 効果的に科学情報を伝え,聴衆の興味を持続させるには,「まず聴衆に,<これから,何の話をするのか>を話し,次に<具体的な内容>を話し,最後に<今,何の話をしたのか>を話せ」
  • 発表途中の重要なポイント,その先々で何度か概要スライドに立ち返り,そのつど箇条書きのトピックの別の行を強調する,というのもよい方法
  • 発表の前の晩には,もう,リハーサルや準備はやめておこう.何か楽しいことをして,翌日の発表のことは,完璧に頭から追い出してしまおう

第2章 「面白い話」の構造

  • 聴衆の興味を高めるべく,一般原理から始めて,焦点を狭めていき,これから述べる実験とその意義が理解できるところまでもっていく
  • 歴史的背景を紹介するときには,その分野のほかの研究者による業績に対して,きちんとクレジットを与え,出典を明示することを忘れてはならない
  • 実験結果というのは,えてして,科学的筋道の順番には起こってくれぬもの.それゆえ,発表でデータを示すときには,観測事実をちゃんと並び替えて,初耳の聴衆にもわかるように,一貫したストーリーを作り上げることが必要
  • どんな問いを扱うのかを,発表の初めに明示する
  • 論理を聴衆が確実に追えるように,ひとつひとつの問題をスライドに示し,適切なデータとともに論ずる
  • 主要な問いとその答えを明瞭に表現し,整然たる一連の副問題とその答えへと分割する.これが発表に論理構造を与える.聴衆も,ついてゆくのが楽になるわけである
  • 発表の各部分にかける時間は,その部分の重要性を,そのまま反映すべき
  • 自分の知識の迷宮,勝手知ったる近道や抜け道,相互の連絡口といったものは,初めて話を聴く聴衆には,まるで馴染みのないものであることを忘れてはならない
  • ところが,多くの発表者は,実験データを示すにあたって,自分が毎日扱っているものだから,聴衆も技術的詳細を熟知している,と勝手に思い込んでしまう
  • 実験のデザインなど,単におまけのように扱い,ただデータの結論さえ言えば,聴衆は足りないところを自分で埋めてくれるだろう,と考えがちなのである
  • 実験デザインを明瞭に述べることで,発表者の知識と権威を示してもいる
  • 発表全体を通して,健全で,説得力ある議論を展開したければ,常に,以下の質問について熟考すべきである
    • 自分のデータは,どの程度確かか?
    • 示している事実に基づいて,この結論を引き出すことは許されるか?
    • このデータには,違う解釈ができないか?
  • 発表の結論は,いちばん大事な瞬間.記憶に残る唯一のものであることも多い.聴衆に与える最終的な印象とインパクトが決まるのが,まさにこのとき

第3章 視覚素材はこう使え(使うな)

  • 視覚素材の最も大切な前提条件は,次の3つ
    • 入念に作成してあること
    • 単純であること
    • 話の筋書きに必要であること
  • 図が込み入っていると,伝えたい情報がうまく伝わらない
  • 発表全体のスタイルの統一性は,話の流れと一貫性を強調する効果がある
  • 図の題名や,このスライドから導かれる結論を簡潔に述べた1,2行を付け加えることで,スライドはわかりやすくなる
  • まとめの文章は,常に,簡潔にして的を射たものにする
  • 結論のスライドは,本質的情報のみとし,気をそらすような2次的周辺事実で濁らせてはいけない
  • 発表の主役は,いつでも,科学的メッセージなのである
  • 1枚の絵が千の言葉に勝るのなら,動画は,実に,宝の山と呼ぶに値する
  • ポスター発表を最大限に活用するためには,単なるデータ発表会ではなく,むしろ,主として,アイデア交換と対話の機会である,考えるべきである
  • ポスターの成功を決するのは,見に来た人の数ではなく,彼らとのやりとりの質である.これを忘れてはならない

第4章 「話し方」の技術

  • 話し方は,科学発表が聴衆に与えるインパクトを確立する大切な要素であり,話す技術は,科学者の将来を左右しかねない因子なのである
  • 単調さを破るために最も効果的なのは,発表全体を通じて,重要な語句に,強調を置くこと
  • 話し言葉でどこかを強調するには,3つの方法がある
    1. 声の大きさを変える
    2. 語句を繰り返す
    3. <間>を置く
  • 結論を言い直したり,話のなかで前に達した結論を聴衆に思い出させ,それをもとに,さらなる議論を展開すれば,発表内容の大事な点を,巧みに強調することができる
  • 最も重要なのは,沈黙が,その直前の言葉を人々の心に染み込ませ,情報を十分に消化する時間を与えること

最も効果的であるにもかかわらず,最も忘れられている手法が,二重の<間>である.

強調したい発言の,前と後ろの両方に<間>を置き,その発言を,流れゆく言葉の海から隔離してしまうのだ.

初めの<間>は,次に来る発言に備えて聴衆の注意を喚起し,一方,第2の<間>は,この発言が放ったメッセージを「染み込ます」のである.

  • 二重休止は,その微妙さと単純さゆえに,強力な手段なのである.また,大声や強調のジェスチャーを躊躇してしまう内気な発表者でも,楽にできるという利点がある
  • 声量をわずかに上げ,話す速度を意図的に落とすことで,二重休止の劇的効果は倍増する
  • 「えーと」「えー」などの言葉よりも,純然たる静寂のほうが,まだまし

文の間に短い<間>を取れば,考える時間ができ,次の文を明瞭に組み立てられることにもなる.

多くの場合,ゆっくり話すことで,発表者の問題の99%は解決するのである.

  • 聴衆と目を合わすことは,力強い話し方の一要素である
  • 視線は,誰かひとりに固定せず,柔軟に顔から顔へ動かし,聴き手すべてを見渡すようにしよう
  • 相手の目を見て話せる人物は,良心的という印象を本能的に与え,信頼できる人とみなされる
  • 私は,むしろ<オン・ステージ>を楽しむことにしている──あなたも,そうしたほうがよい.どうせ逃げられないのだから
  • スクリーンが自分の右側なら,右手にレーザポインタを持てば,スクリーンを指しつつ,聴衆への視線も保てる
  • 話す当人が,発表内容に対する興奮を持ち合わせていなければ,聴衆のひとりにすら興味をもたせるのは,金輪際,不可能だ
  • あらゆる科学者は,おのれの研究テーマが,全宇宙で最も重要な問題なのだ,という信念,その一点において,正しく尊重される資格がある
  • 質問には,常に短く,的確に答えること
  • 質問に答える前に,その問いを復唱せよ

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