ロジカル面接術 2021年度版
- 作者: 津田久資,下川美奈,嶋聡
- 出版社/メーカー: ワック
- 発売日: 2018/12/06
- メディア: 単行本
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第1章 ロジカル面接術は強く,応用が利く
- 面接の際,まず間違いなく聞かれる二つのテーマは,「自己PR」と「志望動機」
- 一次面接から二次面接,三次面接と駒を進めていっても,「あなたはどういう人か」「なぜこの会社に入りたいのか」という,この二つのテーマは必ず俎上に上がる
- 面接が会社にとって必要な人材を選ぶための試験であるという性質上,常識的に考えて,「あなたがどういう人間か」「なぜこの会社に入りたいのか」という二つを押さえておけば,大抵の場合,面接に対処できる
- 会社側は,この二つを明確にすることで,「あなたがこの会社に入って貢献できるかどうか」を知りたい
- 「御社に合っている」だけで会社に「貢献」できるほど,社会は甘くない
- 会社が求めていることは何なのか,それをしっかり見極めた上でないと,「会社への貢献」をきちんと示すことはできない
- 「会社への貢献」という意識が,面接官の中で年々強まっている
- 「会社への貢献」とは,「利益を生むことができる」ということ
- 面接を受ける人は皆,「自分は,三年以内に必ずものになり,会社に利益をもたらす」ということを明確に面接官に伝えることが必須
第2章 ロジカルな人間は面接でもコミュニケーション力を発揮!
- 面接時に確かめられる「能力」というのは,どこの会社も実は同じで,「問題解決力」「行動力」「コミュニケーション力」の三つで構成される
- 自分自身を徹底的に取材し,自分自身の経験の中から先の三つの能力を証明する証拠を探す必要がある
- 問題解決力と行動力は,自分自身を取材してその証拠を挙げて証明するのに対し,コミュニケーション力については,ESの書き方,自分自身のプレゼンテーションそのもので能力を証明しなければならない
- 面接官からの質問や疑問に対しては,質問の内容が理解できれば「とりあえず質問の意味は理解しているよ」というサインを出すことは必要
- 余裕を持って,聞くほうがどう受け取っているかを気にしながら,その都度,軌道修正しなければいけない
- 結論を先に持ってくると,これから何を話すのかが明確になる.そして,その後にその「結論」に至った「根拠」を示す
- 簡潔に回答するために,質問のポイントを的確に捉える
- プレゼンテーション用に三十秒(概略ver.),一分(普通ver.),二分(詳しいver.)の三タイプを用意する
- 抑揚を意識して,要の部分は「ここが大事だぞ」とわからせるためにも語調を強く,声も大きくすることが大切
- 最も大事なのは,言いたいことの論理的整理と予行演習
第3章 報道記者直伝! 自己PR作成のための五つのステップ
- 自己分析では,「人から評価された」「良い結果を生んだ」という視点で,「何かをやり遂げた実績」を抽出するように心がける
- 「自己分析」というからには,単なる情報の羅列で終わるのではなく,「考える」という作業がなければならない
- 集めた情報の中から,「問題解決力」や「行動力」といった能力がアピールできるエピソードを具体的に抽出していく
- 「能力を象徴するエピソードとは?
- 誰が聞いてもすごい,得難い
- 困難を乗り越えたプロセスが具体的
- 2人に1人が持っている経験ではインパクトがないわけで,少なくとも100人に1人くらいの学生しか経験していないところまで具体的に,魅力的にすることが1つの基準
- 面接で話す場合(特に一分ぐらいの自己PRの場合),流れの要素としては四つか五つくらいが限界
- 原稿化のポイント
- 何を1番伝えたいか(テーマ)
- わかりやすいか(構成)
- 要求される尺におさまるか(長短)
- ニュースの「リード」にあたる結論部分を凝縮したものを,まず「キャッチ」として持ってきて面接官に方向を示し,話の中身を説明するのがいい
第4章 自分取材と会社取材で,面接官も納得の志望動機ができる!
- 「この人なら,ずっとうちの会社で頑張ってくれる」と思わせる「何か」が求められる
この「何か」とは「合っている」=「フィッティング」という概念なのです.
つまり,「私は御社に合っている」ので,だから,「頑張ることができる=能力を発揮できる」となるわけです.
この部分を面接官に納得させるためには,「私は御社に入りたい」その理由をプレゼンテーションすることになり,それがすなわち「志望動機」となるわけです.
- 熱意がいくらあっても,フィッティングがあるということは言えない
- 自分の「やりたいこととやり方」が,会社の「やりたいこととやり方」に合っているか
- 企業を知ることによって,それを視点として,今度は自分を取材し,フィットしているかどうかを見る
最初に押さえるべきポイントはその企業の「戦略」です.「戦略」とは,二つの要素から構成されていると考えてください.
一つは「その企業のありたい姿」であり,もう一つは,「そのあるべき姿に到達するための方法論」です.
- 「企業が持っている様々な事業の中で,どこに力を入れて,どういう会社(あるべき姿)になっていくか?」に対する答え
- 企業研究はあくまで,「その企業が進もうとしている方向」に自分も軌を一にして,果たして「ハッピーなのか?」という視点で行うべき
- したがって,志望動機は,自分取材による結果とセットになって,「〇〇だから御社の戦略に私は共感できる」とならなくてはいけない
- 「同じ業界・業種の中で,じゃあ何でうちなの?」と聞かれたときに,自分なりの視点で他社との違いを答えられればいい
- 「自分はこういう人間で,御社はこういう会社なので,私は御社に合っています.だから入りたいんです.」
- それぞれの企業の特徴を自分なりに掴む
大袈裟に言えば,多かれ少なかれ,入社する会社がどこになるかということは運命に左右される部分が出てきます.
ですから,個々の会社に過度に執着せず,自分がやりたい職種と能力を見極めて志望動機を作った上で,業界内の各社の比較を的確に指摘したのなら,後は企業がどう判断するかに委ねるぞ,というくらいの気持ちでいるのが,効率的かつ楽な方法なのではないかと思います.
- 面接は自分が話したいことを喋る場ではない.面接官が何を知りたくて質問をしているのか,それを考えた上で自分をアピールすることが求められる
- 自分で取材をし尽くしたあなたのことなのだから,後は,ただただ,流れに身を任せればいい
第5章 報道記者が直接指導! 学生二人の「自分取材」実録
- 抽象的な言葉を使うときは,自分に対して「なぜ,そう言えるのか.それについての具体的なエピソードはあるか」と取材する
- 「私はこういう人間だから御社に貢献できる」ということを魅力的に伝えなければならない
面接官が聞きたいのは一般論ではなく,「あなたが,なぜそう思うのか.何を経験したからそう思うのか」という「あなた自身のこと」なのです.
- 一般論でまとめない.あなたが,何を見て,どういう経験から実感したのか,それが知りたい
- 面接時間は限られている.自分が話すことの一つ一つが,無駄なく自分自身を表すようにしなければ,もったいない
おわりに 報道記者がなぜ面接対策本を書いたか
他の学生さんたちとの差は何だったのでしょうか.それは一言で言えば,「いかによく考えているか」ということです.
大雑把に言ってしまえば,「自分が何をやりたいのか,どんな仕事が向いているのかわからないけれど,とりあえずテレビ局も受けてみたい」という感じにしか,私には見えませんでした.
はっきり言って甘かったのです.自分のこと,将来のこと,仕事のこと,各企業のこと...などをきちんと考えた形跡が見られませんでした.
特別寄稿
- 学生も,単に大学で勉強するだけでなく,いろんな企業のインターンシップに参加して,学生時代から「仕事」を体験している.それも一種の「勉強+仕事」という形のポートフォリオ・ワーカーの前段階といえるかもしれない
- 成功の要諦は成功するまで続けるところにある