「仕事ができるやつ」になる最短の道
- 作者: 安達裕哉
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2015/07/30
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
まえがき
- 一度に大きな変化を起こすことは誰にもできない.何かを成し遂げようとするならば,それなりの準備や時間をかけて物事に取り組む必要がある.
第1章 今日からできること:決意する
- 人生を変えるのは,一発逆転の出来事ではなく,些細な日常の習慣.
- なにかを続けることができた,という実績が人生を変える第一歩.
- 習慣には自分に合うものと合わないものがあるから,無理はしない.合わなければ,他のものを設定する.
- 『やってみた』は科学.『やってみたい』は迷信.
- やってみれば,データが取れる.それをもとに,もっとうまいやり方を考えられる.やったことのない人は,単なる思い込みや推測でしか動けない.
- 「なにか新しいことを試そうと思ったとき,まずは自分でやってみて,それからうまくいかなかったときのみ,本などを参考にする」
- 学校の勉強は「教科書をしっかりやって,そのあとに問題集をやる」というスタイル.このスタイルが染みついているため,「インプットが先」というスタイルを採用してしまいがちになる.
- スキルアップのスピードを重要視するなら,「まずはアウトプットを中心に据えること」を意識する.
- 一流になるためには自分の仕事を慎重に選ばなければならない.余計なことをしている暇はない.
第2章 1週間程度でできること:小さな変化を起こす
- どんな仕事でも,一番偉いのは『最初に案を出すやつ』.
- 「会話なんて,コツは2つしかない.相手が話したいことを聞いてあげること.相手が聞きたいことだけを話すこと.たったそれだけ.」
- 「重要なのは,自分が話さなくても相手が勝手に話したくなる状況をつくること.だから,まず『相手が話したいこと』を聞く.人は誰しも自慢したいことや興味のあることの1つや2つ,必ずある.『業績』とか『趣味』とか.」
- 話のわかりやすさは「相手の立場から自分の話を見ることができるかどうか」に尽きる.
- 「わかりやすい話し手」となるためには,次の8つが重要である.
- 「過程」から話すか,「結論」から話すか
- 「抽象的」に話すか,「具体的」に話すか
- 「自分が話したいこと」を話すか,「聞かれたこと」を話すか
- 「一律の表現を使う」か,「相手の反応を見て言葉を変える」か
- 「詳細から入る」か「全体から入る」か
- 「自分のペースで話す」か,「相手の理解のスピードに合わせて話す」か
- 「こそあど言葉」を多用するか,「こそあど言葉」を避けるか
- 話が「脱線」するか,しないか
第3章 1ヶ月間以上しっかりと取り組むべきこと:信頼を積み上げる
- 上司とのコミュニケーションをうまく図るには,「情報提供者」という役割を負うことが最も効果的である.意思決定するのは,上司の役割であるが,そのためには自分の持っている情報を効果的に伝える必要がある.
- 言葉の意味だけでなく,言葉が想起させるバックグラウンドも含めた,相手との共有度がコミュニケーションの質を決める.
- どのような情報を欲しているかを常に相手に確認しながらコミュニケーションをとらなくてはならない.「自分が発信する前に聴く」を合言葉とせよ.
- あなたの言うことがいくら正しくても,相手の感情が拒否してしまえばそれでコミュニケーションは断絶する.
- なにに重きを置く人物なのか,なにを重要視する人物なのかを理解し,自分の要求がそれに合致していることを示すこと.
- コミュニケーションは受け手が聞く姿勢になっていなければならない.
- 『相手の気持ちになって,相手の意見を合理的だと考えよ,自分の意見に自ら反論してみよ.そうすれば,相手の考えていることの本音が見える.それを踏まえて,次の意見を出せ』
- 人と会うときは,初対面の人にはとくに,「その人の趣味や,好きなもの」を必ず聞く.そして,「私におすすめはありますか?なにかいいものがあれば,教えてほしいのですが」と尋ねる.
- 人は自分の好きなことに興味を持ってくれる人が好きである.そして,それについて初心者に教えることはもっと好きである.
- 教えてもらったら,とりあえず試す.その「素直さ」が,コミュニケーションの秘訣である.
第4章 1年程度かけてじっくりと取り組むこと:努力を成果につなげる習慣
- 「頭の良さと,成功は別物だ」と言う人がいるが,まさにそのとおり.
- 頭の良さは,人の能力のひとつにすぎないので,それだけでは成功できない.
- 頭の良い人は,たいていの問題を一人でこなせるため,助けを求めることが下手である.
- 人は頼られることが好きなので,ときには人に頼ることが人間関係を円滑にする.
- 人前で話すことになれると自身がつくので,たいていのプレゼンテーションは楽にこなせるようになる.
- 大企業のなかからイノベーションが起きにくい理由は,「失敗を避ける」から.
- 「上司が出世すること」が,自分が出世するための決定要因である.
- 「上司の強みを活かし,成果をあげさせ,出世させよ」.これが,自分が出世するためのただ1つの方法である.
- 「これからの時代に対応する力」を身につけるのであれば,「自分で作って,告知して,売る」ということを積極的にやってみても良いのではないか.
- 結局のところ,仕事の能力を向上させるには近道はなく,時間をかける他はない.
第5章 3年は取り組むべき大きなテーマ:リーダーシップとマネジメント
- 仕事のできる人ほど,行動力のあるリーダーを支持する.
- 人間的な魅力がリーダーをつくる.人間的な魅力というのは,「最小限の力で正確に仕事をこなす」という部分ではなく,「精一杯,力の限り働く」という部分.
- 部下は,リーダーに「間違えないこと」ではなく,率先して行動し,間違えたときはその非を認めて,素早く修正することを求めている.
- 「良い上司」は部下について話す際に,「アイツはこれができる」「アイツはこれがスゴイ」という自慢話が多い.
- 「良い上司」は,自分がまずい支持を出したときには非を認め,謝罪し,次の指示を素早く出した.軌道修正が早かった.
- 「良い上司」は昇進してなお,勉強し続けていた.情報を集め,本を読み,経験から法則を導き,実践から修正する.そして部下からも学ぶ.そういった地道な努力を積み重ねていた.
- 成果を出している人は「いま,私は運が良いだけだ」と考えなくてはならない.実際そうなのだから.
「君はどう思う?」と上司に聞かれたとき,部下はどう感じるか.部下は意見を求められることで信頼され認められていると感じるだろう.そして上司から「認められている」という実感を持った部下は自身を持ち,その自信は彼らのさらなる向上心・やる気へとつながり,結果として部下は育つ.
第6章 一生かけてやる価値のあること:仕事で良い人生をつくる
- 「自分より優秀な人を挙げてください」と言われたとき,挙げられた人数がその人間の器を示す.
- ほんとうに優れた人物は,他の人の優れたところもよくわかる.
- なにかに没頭することが,精神の安定にとって重要であることは,間違いない.行動することで,余計なことを考えなくても済むからだ.
あとがき
- 問題が発生したつど,その場で考え,成果を出すために工夫し,時間がかかっても粘り強く努力を継続する人たちが,ほんとうに仕事のできる人たち.