局所適応型輝度補正におけるパラメータ決定の自動化に関する研究

論文

ipsj.ixsq.nii.ac.jp

1.背景・研究目的

  • 局所ヒストグラム平坦化を基にしたダイナミックレンジ圧縮技術の自動制御手法を提案する.
  • 本研究は,画像の情報を利用して上限値と下限値を自動的に決定することを目的とする.
  • ガンマ補正では,画像全ての領域に同じ輝度変換関数を用いるため,局所的なヒストグラムが低下してしまう.例を図1に示す.
  • 局所適応型輝度補正手法のパラメータを自動的に決定することが課題の一つであり,その解決が本研究の目的である.

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5.まとめ

  • 局所ヒストグラム平坦化を基にした,局所適応型輝度補正手法において,補正関数の制限を自動決定する手法を提案した.
  • 各境界のmax値を画像のエッジとヒストグラムから判断して求めた.それぞれのmax値の判断方法は以下のとおりである.
    • 暗部max値:全画素におけるエッジ量と低輝度画素のエッジ量の割合.
    • 中間部max値:ヒストグラム全体に占める中間輝度画素の割合.
    • 明部max値:ヒストグラムに占める高輝度画素の存在と高輝度画素のエッジ量.

2.局所適応型輝度補正

2.1 局所ヒストグラム平坦化

  • 提案手法は,局所ヒストグラム平坦化手法(LHE:Local Histogram Equalization)を基にしており,対象画素における周囲の画素の統計量に応じて輝度範囲を割り当てて画素値を変換する.
  • 処理時間の短縮と滑らかな補正を行うために,ヒストグラムを4つのビン(区間)に分ける.(0番目のビンの輝度範囲は,0~63となる.輝度値を4種類に分類する.)
  • 入力輝度値:I _ {\rm in},出力輝度:I _ {\rm out},ウィンドウサイズ:N^ 2,ウィンドウ内ヒストグラムにおけるi番目のビンの度数:h_iI_{\rm in}を含むビン:b (0 ~ 3),i番目のビンの輝度範囲の最小値:C_iとする.
  • 累積ヒストグラムH _iを,式1,累積ヒストグラムから算出した補正関数を式2に示す.

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  • b=3の場合には,C _{\rm b+1}=256とする.
  • 図2に累積ヒストグラムから算出した補正関数を示す.ブロックが累積ヒストグラム,ブロック内を結んでいる線が補正関数を表している.

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2.2 ガンマ補正関数と重み付け

  • 累積ヒストグラムの4つのビンの境界を通るガンマ補正関数を作成する.(図2の赤線)
  • [tex;i]番目のビンの度数とi+1番目のビンの境界をj (0~2)とすると,式は以下のように与えられる.

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  • 次に,それぞれのビンの境界を通るようにガンマ補正関数を作成した後に,ガウス関数で重み付けをすることにより,補正関数を得る.重み付けの式は,以下のようになっている.

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  • \sigmaガウス関数標準偏差で,今回は経験的に\sigma=0.3とした.
  • 式3と式4を合成すると,以下の式が得られる.

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  • 図3に式5を利用して算出した補正関数を示す.

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2.3 補正関数の制御

3.夜景画像のパラメータ決定

3.1 パラメータ決定の流れ

3.2 暗部max値の自動決定

3.3 中間部max値の自動決定

3.4 明部max値

4.評価

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