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Computer Scienceや読書のメモ

Learn Better

 

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

 

 

イントロダクション

  • 学習とはつまり理解のプロセス,メソッド,体系なのである.
  • 学習とは一つのことへの集中と計画性と内省をともなう活動であり,学習の方法がわかれば習得の度合いと効果は大きく上がる.
  • 学習プロセスに力を注いだほうが成果が高くなることがわかった.
  • 人は頭の良さよりも,努力を褒められたほうが頑張って学習する.
  • 学習は周囲の積極的な関与をともなうプロセスである.
  • 「情報そのものより情報が見つかる場所を知ることによって記憶の量を減らす,相互接続システムの一部になりつつある」
  • 学習の目的はある事実や概念についての自分の考え方を変化させることであり,学習にあたってめざすのは思考の体系を学ぶことなのだ.
  • 学習とは『整理されたわかりやすい体系の大切な部分を理解すること』と考えよう」
  • 課題に取り組んでいるときには,状況の簡潔な要約を書くとよい.問題を明確に定義することで,積年の謎や課題が解決しやすくなることがある.
  • 学習とはすなわち対象の意味を知ることである.
  • 効果的な学習とは要するに知識の総体の中の相互関係をつかむこと.

 

第1章 Value:価値を見出す

  • 自分が価値があると信じる活動に従事する.学習において,この考えは極めて重要.意味があると思えないことを学ぶのは難しい.価値が学習意欲の究極の燃料.
  • 統計学が自分の将来の職業,趣味,いつか築く家庭にとってなぜ大事かを説明する行為によって,学習のレベルが一足飛びに向上した.
  • ある対象について学ぶ意欲を持つには,その対象が自分に関連性があると思わなければならない.
  • モチベーション = コスト + 期待感 + 価値
  • 人にとって問題となるのは『これは自分に価値があると思えるか?』ということ.
  • 意味は自分自身で発見しなければならない.
  • 学びたい対象を自分といっそう関連性の深いものにする.
  • 意味への欲求とは,多くの点で,発見への欲求なのである.私たちは探索する種なのである.
  • 何かに意味を見いだしたとき,モチベーションはその人自身のものになる.
  • モチベーションは火のようなもの.管理しなければたちまち消えるか,燃えすぎて手に負えなくなる.
  • 知的努力には伝染性がある.
  • 習得とは,あるスキルや知識分野において深いつながりのネットワークを持つこと.
  • 「ただ記憶するだけか,物事がどう結びつくのかをやってみて確かめるか,この違いが大きい」
  • 優秀な教師はモチベーションと支援を与える.学生が学習に意味を見いだす手助けをし,自主性と自分に関連性があるという感覚を与える.

 

第2章 Target:目標を決める

  • なにも考えずに学習してはいけない.
  • 学習の入り口の段階では,プロセスをしっかり管理する必要がある.
  • 学習とは要するに一種の知識の管理である面が強い.すなわち目標設定,計画策定,前提となるスキルの習得,習得したい専門知識の絞り込みをおこなう必要がある.
  • スキルの習得を目指す人にとって重要な二つの問題.
    ①何を学習するか
    ②学習するにはどのような計画を立てるべきか
  • 音楽,車の運転,コンピュータプログラムはいずれも短期記憶を占拠するため,理解という頭の働きを妨げる.
  • 資料一ページないしパワーポイントのスライド一枚に掲載されている図は,少ないほど伝わりやすい.文章は短いほどよいというのもここからわかる.
  • 言葉の数が少ないほど──内容を詰め込みすぎないほど──相手に新しい情報が入りやすくなる
  • ところが,ほとんどの人は短期記憶の容量を過大評価して,一度に多すぎる量を学習しようとする.
  • 注意力を奪うものはすべて短期記憶を損ない,学習の邪魔をする.
  • 個人指導は他の教育法に比べて二倍の効果がある.(生徒がわかっていないことを土台にするから)
  • 対象についてまったく知識がないと学習は難しい.
  • 知識のネットワークがすでにあれば,そのネットワークに新たに知識を加えるのは簡単である.
  • 私たちはみな,実力の少し先に学習の目標設定をし,常に前よりも少しだけがんばらなくてはならない.
  • 専門家が物を考えるときは素人よりもつながりや関係性が見えている.彼らの長期記憶は個々の特徴ではなく結びつき,事実情報ではなく体系に根を下ろしているため,問題の表面的な特徴に惑わされず核心の課題を見通せる.
  • スキルや知識の習得が上手な人は,学びながら「なぜこれが正しいのだろうか?」,「これは他の概念とどのようにつながるのだろうか?」と自問している.
  • コンテキストはえてして解釈の最も重要な要素の一つである.学ぶことを学ぶとは,今学んでいるものが何かを知るという話なのである.
  • 学習に関しては,メタ認知はしばしば地頭の良さより重要.
  • 文章や段落の構成について考えるとき,大事なメタ認知的な問いかけを自分にしている.これを読むのは誰だろう.相手に理解してもらえるだろうか.どの部分は説明が必要だろうか. 
  • イメージトレーニングによって自己効力感を獲得できる.これは自分の能力への信頼感,きっとうまくいくという気持ちであり,学習に際しての情動の気まぐれに対処するうえで非常に重要.
  • 成功への期待,あるタスクをやり遂げられると信じていれば,努力を注ぎやすい.
  • 自身があるほど,取り組み方も真剣になる.
  • 少しでも前進したら見逃さず,どんなに小さな成果でも「今日は3時間やった」などと自分を褒めよう.
  • 「学習とは難しくて当たり前,悪戦苦闘し,不安になって当たり前」

 

第3章 Develop:能力を伸ばす

  • スキルを向上させる際,「何を向上させるべきか明確にわかっていないために,時間を無駄にしているだけ」の人がほとんどである.
  • ミスを記録するという行為には大きな効果がある.
    → フィードバック・システムを作る.
  • ミスを発見するにはミスを記録し,失敗を観察しなければならない.
  • 「自分は正しくやっているだろうか?」,「ミスをしなかったか?」,「どうすればもっとうまくできるか?」と自問する.
    → モニタリング
  • なにがしかのスキルを伸ばすためには,今ある知識を知り,なにを変える必要があるかを知らなければならない.
  • 自分のミスにはなかなか気づきにくい.モニタリングしていてさえ,ミスのすべては発見できない.
  • 的を絞ったフィードバック,外部からの判断をしてくれる他者が必要.
  • 質の高いカリキュラムには,質の高い教師と同等の効果がある.
  • フィードバックは「誤った理解に働きかけるときに最も威力を発揮する」.
  • 結局,私たちが学習するのは思考を変えるためである.
  • フィードバックとは自分の間違いを知ることに尽きる.
  • スキルを伸ばすためには,大変な思いをし,気を張り詰め,多少なりとも自分を追い込むこともある.学習分野の重鎮の意見はこの点でほぼ一致している.
  • 専門分野の力を伸ばすためには,その専門分野に何度も,できれば何通りもの方法で取り組む必要がある.(反復が必要)
  • 「生活から他のすべてを排除して一つのことだけに集中したら,詳しくなって当たり前だよ」
  • 情報を繰り返し読んだ被験者より,思い出す試みをした被験者のほうが,はるかに習得度が高い.
  • 「記憶から情報を取り出す行為は効果の高い学習法」
  • 「検索練習は思い出すことによって記憶のどこにそれぞれの思い出があるかを把握させてくれる.だから直近で練習したものほどアクセスしやすい.」
  • 「何かをたくさん行うと,脳は『これは重要なのだ』と考え,うまくこなせるようになる戦略を開発する」
  • 私たちは失敗すると,意味を探し求める.だから学びの効果がいっそう高くなる.
  • 間違いは思考の本質であり,概念形成の核心である.
  • ミスに煩わされず,成長に目を向けよう,失敗や間違いはスキルや知識を獲得するチャンスととらえよう,自分に語りかける.
  • 例えばミスをした後,自分に「ここから何が学べる?どうすれば成長できる?」と問いかけるとよい.

 

第4章 Extend:発展させる

  • 専門家になるには,習熟の領域を広げる必要もある.
  • 学習とは知識の発展,専門知識の領域の拡大とも言える.
  • 人間は事前知識を基盤として,さらに深く密にネットワーク化した洞察を創り出す.
  • 学びながら説明を求める質問を自分に問いかけると習得の度合いが高まる.
    「この概念を説明できるか?」「このスキルを解説できるか?」「自分の言葉で言えるか?」

    tom0930.hatenablog.com

  • 議論はある分野内の物事のつながりを豊かにしてくれる.習熟した領域についてとことん考えさせることによって,専門知識を強化してくれる.
  • スキルを完全に習得するには,そのスキルを実際に使ってみなければならない.
  • あるテーマについて深い洞察を得るには他人に教えるとよい.
  • スキルは拡張可能だとあらかじめ思っていなければ,どんなスキルも発展させることは難しい.
  • 知識とはそもそも不確実なものである.どんな専門知識分野にも暫定的な概念,白黒つけられないこと,発見を待っている新しい領域がある.
  • 「学習とは単に正解を知ることではなく,推論し説明すること」
  • およそあらゆる大きな発見は基本的に新しい問いに対する答えである.
    → 「卒業アルバムをネットに掲載するにはどうすればよいか?」という問いがFacebook誕生のきっかけになった.
  • 専門知識を習得し,知識を発展させるためには,疑いがなくてはならない.問いかけ,時には逆らわなくてはならない.
  • 推論の力を伸ばすことによって学びはさらに豊かになる.

 

第5章 Relate:関係づける

  • 思考実験は,一般的にはあるアイデアをじっくりと考える手段である.
  • 思考実験は,スキルや専門知識がどのように一つの体系を構成するのかを理解させてくれる.
  • 自分の知識の関係づけを行うと推論のスキルに磨きがかかる.
  • 「学習効果を上げるには関係性を考える,これに尽きる.」「効果的な学習を行うためには,原因,類似点,相違点を探すべき.」
  • 複数の分野を混ぜ合わせて練習したり,さまざまな例を織り交ぜたりすることによって,基底にある関係性への理解が深まる.
  • 深部にあるつながりに気づくためには膨大な具体例が必要.
  • 難しい問題に取り組むときには自分自身に「もし〜だったら」という問いかけをする.答えがしばしば発想を刺激してくれ,問題がどのように体系の一部に組み込まれているかに気づかせてくれる.
  • 学習プロセスにおいて,関係づけの段階では,徹底した実験が専門知識分野の根底にある体系を理解する方法として効果的である.
  • ハッキングの鉄則は「作る,テストする,デバッグする,変更点を文書に残す」
  • 木が多ければ,森を見るのに何らかの道具が要る.関係性を学ぶべき理由はそこにある.関係性の把握が学習を助けてくれる.
  • 深部にある体系を探すことによって学習の質を上げる.
  • 体系を理解していれば,さまざまな文脈で知識を活用できる.問題解決とはとどのつまりアナロジーを利用したの推論の一種と言える.
  • 目標を設定する.計画を立てる.真剣に取り組む.前提となる知識を育てる.立てた計画を実行に移す.さまざまなアイデアを試練に耐えうるかテストする.関係性やアナロジーを探す.コンセプトマップなどのツールを使い,パターンや体系を発見する.

 

第6章 Rethink:再考する

  • 自分を過信していると,人は勉強をしない.練習しない.自分に問いかけを行わない.
  • 知っていると思ってしまうと,概念同士を関連づける,今ある知識を発展させるといった,難しい手段を踏もうとしなくなる.
  • 私たちは知れば知るほど,知っているという思い込みを深める.
  • 私たちは事実を本気で考察する機会を得る前に,心の中でわかった気になりがちなのである.
  • プロも見習いと同様に認知バイアスにつまずく.多額のお金が関わっていようが,頭のいい人がどれだけいようが関係ない.
  • バイアスを避けるため,過信に陥らないため,学習の対象分野を本当に習得するためには,自分の思考と周囲の人々の思考を検証しなければならない.
  • 「自分は何を学んだか? 理解しづらかったのはどこか? わからないと思えるのはどこか?」と自問する.
  • 学習を後押しする最も重要な要因は,実は単純に,見直す意欲,自分が本当にわかっているのは何かを考え,自分の不本意なミスを最大の学びの源泉にしようという意志なのである.
  • 専門家であっても,自分がわかっていること,わかっていないことをつぶさに見直すといっそう学びを得られる.
  • わずかな手間をかけて学習を分散させるだけで,劇的な改善が見られることが多い.
  • 専門家は常に熟考している.「自分が実行していることについて考えるほうが実行そのものより重要だ」
  • 「知識を得れば得るほど,それらにつながりを作る必要が出てきます.それを意識的に行う必要があるのです」.
  • 集中した熟考に取り組むためには頭の中を落ち着いた状態にすること,静かな内省の時間が必要になる.
  • 学習の不思議な矛盾ともいうべきものがある.問題から一歩引いてみると,問題についてよく分かることがある.
  • 例えば森の中を心静かに散歩すると問題を考え抜くのに役立つ.
  • 静かなひとときを過ごした後は思考について思いを巡らすことがうまくできるようになる.
  • 一人で過ごすことによって思考の速度が抑えられるので,さまざまな角度から熟慮したり,推論能力を研ぎ澄ませたり,ただひたすら自分の思考について考えることができる.
  • 内省的な思考に取り組むためには,考えたり,書いたり,ただ思いを巡らせたりするための邪魔の入らない長い時間が必要である.
  • たえず自分の知識の再評価をしていれば,熟慮という頭の活動が止まることはない.
  • 概念やスキルはシンプルな形で取り組んだほうが成果は高い.
  • 私たちは物事をの意味を理解すること,スキルを絞り込み,能力を伸ばすことに努力を注がなければならない.

 

エピローグ

  • 学習──いかなる学習も──の目的は「情報を統合して意味を形成すること」である.

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  • 目的や目標を定めず,自分が何の能力を伸ばそうとしているかをあまり自覚しないままスキルの向上に励もうとする人があまりにも多い.
  • 一つの概念への取り組みにさまざまなアプローチを取ること,一つの概念を何通りにも説明できるようになること.
  • 私たち誰もが,学び方を学ばなければならない.