人間は自分が考えているような人間になる(We become what we think about)

 

人間は自分が考えているような人間になる
 

 

プロローグ

  • 「何事も知らなければ,何事も起こらない」

 

Ⅰ 生き方を創る“究極の真理”

  • 思考こそ生命を導くメカニズムである.
  • なぜ人が成功したり失敗したりするかは,人の考えが千差万別であるということから説明がつく.すなわち,人間は思考を通して自分で自分の運命を切り拓いていくものなのだ.
  • 思考が人生の羅針盤なのである.
  • 未来への構想がしっかりしているかどうかで,人間の運命が決まってしまうのである.
  • 「牛が車を引くように,思考も人間を引っ張っていくのだ」
  • あなたが何を実行しようとしているのか,口に出してはならない.言葉ではなく,行動で示さなくてはならないのだ.

 

Ⅱ 富を増やすための思考法

  • 奉仕は報酬をもたらすものであり,奉仕をすればそれだけ報酬も増えていく.
  • 金持ちとは,他人により優れた価値のある ─需要のある─ サービスを提供できる人のこと.
  • 億万長者になるには,特殊な才能はいらない.最善を尽くすことができるもの,一番楽しめるものを探せばよいのである.
    しかし,それはすべてあなたの決断にかかっている.
  • 金を払ってもらわなくてもやっていけるかどうか.
    → このような熱意は,必ず報われるものである.
  • あなたが最も喜んで実行できるものを選び,その事業を拡張する方法を探してみよう.
  • 報酬は,奉仕に正比例するものであるということをつねに頭に入れておくことにしよう.
  • 現状に満足せず,何か改善の余地があるのではないか,というアイデアを考え続ける.

 

Ⅲ あなたは使命型か展開型か

  • どのような職種であれ,100%打ち込むことができるものであれば,あなたはその実力を最大限に発揮し,その職業で最大の成果を上げることができる.
  • 遺伝子の中に,生来あなたの才能とぴったり合致した興味の対象を見つけ出すことができれば,あなたは他の人々に最大の奉仕ができ,しかも心から楽しい仕事をして充実した生活を送ることができるようになる.
  • 願望・目標のない人間は,海の上の漂流者と同じである.
  • しっかりした願望や目標を持っている人は,つねに歩みを緩めない.
  • 前日わからなかった問題が,翌日目覚めたときには解決していることがよくある.なぜなら,眠っているときにも,心の深層で願望や目標に向けての前進が続いているからである.
  • 願望・目標を達成するために,知識や経験を増やし,次の願望・目標に挑んでいくのである.
  • 願望・目標を立て,その達成のために努力しているときには,あらゆるものが味方してくれるように思える.
  • 人間の,より素晴らしい仕組みは,遺伝子の優劣にかかわらず,設定した願望や目標が,両親や知人のものではなく,本人が真剣に選んだものであるなら,必ず達成することができるし,十分,願望を満たすこともできるというところにある.
  • 実行しようとしていることが,あなたにとって本当に重要なものかどうか確かめてほしい.あなたは,「みんながやっているから自分もやろうとしているのか」それとも「自分にとって最も大切なことだから実行するのか」どちらであろうか.
  • ある所定の環境のもとで,大多数の人が行っているあらゆる行動に対し,正反対の行動をとろうとするなら,たぶんあなたは生きている間,二度と過ちを犯すことはないだろう.
    → 最もタチの悪い過ちは,人と同じでありたいということばかり考えて,本来の自分の姿を見失ってしまうことである.

 

Ⅳ あなたの偉大さを認識しよう

  • 常日頃の考えが,あなたにとって最も重要なものであり,人生のすべて──収入,家屋,洋服,教育,話し方,結婚相手,子供──を決定するものなのだ.
  • 答えらしきものが頭に浮かんでも,それを評価するにはかなりの時間がかかるものである.だから,何かアイデアが浮かんできたら,すぐにメモに書き留め,後でじっくり検討してみる必要がある.
  • 「思考」の意味とは,既知の事実をまとめて,新しい結果をつくりだすことなのだ.
  • 情報が多くなればそれだけ,考えの組み合わせが多彩になり,「考える幅」が広くなる.
  • 一日一時間でも有益なことに時間を利用していたなら,失業もそれほど深刻な事態ではなく,かえって新しい人生を切り拓くチャンスになっていたかもしれない.
  • 彼らの思考は停止したままだったのである.ごく単純な刺激にだけ反応して生きてきただけなのだ.
  • この世で最も大切なものは,考える力であり,人間なら誰しも頭の中に考えを創り出す場所を生まれながらに持っているのである.
  • 何かを考えるのに,危機が訪れるまで待つ必要はないということだ.
  • すべてが順調なときこそ,さらに向上し,昇進していく方法を見つけ出すべきなのである.
  • 決して,意識の表層に浮かんできた考えをすべて記憶できる,などとたかをくくってはいけない.考えは,紙に記録しておいてこそ意味を持つのだ.
  • 安定とは生まれる前と死んだ後にしかないのである.この人生に安定を求めようとするのは,無理な話なのだ.不安定こそ人間の本来の姿である.
  • いつも,変わらぬ関心を抱き続けられる仕事を見つけ出せた人の未来は,バラ色なのである.

 

Ⅴ どうやって人の役に立つか

  • 自分のことしか考えられない人間は,未熟な三流の人間にすぎないのだ.
  • 最高のものを与えれば,景気が良くなり,予想を上回る収入が入ってくるものだ.
  • 人は,奉仕をしなくてはならない.人間の生きる目的は,人の役に立つことにあるのだ.奉仕なくして利益なし,である.
  • 「妻は自分にふさわしい人間か」などと考える前に,「自分は妻にふさわしい人間か」と考えてみよう.お互いに違った面があるから価値があるのだ.
  • やるべきこと,奉仕する手段は無数にあるが,よいアイデアは一つありさえすればよい.
  • あなたの考えは,市場全体の一部の欲求に奉仕するようにすべきであり,それであなたの要求は十分満たされるのである.全員を相手にする必要はないのだ.
  • 消費者と従業員を大切にしていれば,あなたもきっと大切にされるだろう.
  • 自分にとって大事な人全員への奉仕,これが答えである.

 

Ⅵ “心構え”が成功・失敗を決定する

  • 私たちの未来はきっとうまくいくという心構えを持ち続けていこうではないか.そのような心構えで生きていくのは大いに愉快なことであり,やる気も出てくるものだ.そして,一歩また一歩と確実に成長していくのだ.
  • 何よりも重要な要素は心構えである.それが成功と失敗との分かれ目になるのだ.「これはできる」という心構えでいれば,どのような分野であろうとも何よりの原動力となるのである.

 

Ⅶ “粘り強さ”が成功を生む

  • 持てるすべての力を振り絞って一歩一歩前進することが,実生活においても勝利へつながる道となるのである.
  • しっかりとした願望や目標が定まったなら,後は努力で押し通していけばよいのである.
  • 「もう少しの辛抱だ」と,たえず自分に言い聞かせていたからうまくいったのである.粘り強さは成功への必須要件だ.
  • ひたすら耐える,これを信じて貫き通すことだ.必ず成功はめぐってくるものだ.
  • 一番良いのは,だれにも話さないことだ.黙って行動を開始すれば良い.もし失敗すれば,何度でもうまくいくまで繰り返せばよいのだ.
  • 他人が何をしているか,何を持っているかなど気にかける必要はない.自分のペースを守ることが大切だ.あなたは他人とは違うのだ.自分より走るのが早い人もいれば遅い人もいるのだ.自分のリズムとペースで進むこと.
  • 粘り強く問題に取り組み,数々の困難を乗り越える習慣を身につけるということに大きな意味があるのだ.

 

Ⅷ 人生は一大事業である

  • 成功者たちは自分の考えていることに確信を持っていた.これこそ成功の秘訣なのである.
  • 世間一般の人間と同じことしかしていないで,めざましい効果が生まれるなどと考えるべきではない.
  • 今,存在している分野や事業に改良を加える余地はいくらでもある.まずは,既成の分野,事業で少しづつ工夫を積み重ねれば良い.
  • 世間の人たちと同じことをしない,ということである.自分は高い願望,高い目標,豊かな生活へ向けて第一歩を踏み出しているのだと確信しよう.
  • いろいろな自己開発をし,自分の願望や目標にふさわしい人間にならなければいけない.そのためには,ありきたりの考え方をしているようではだめだ.願望や目標は手軽に実現できるものではないのだから.常識的な考え方はただちに捨て去ろう.
  • 月並みな発想は捨てよう.考えたことは一つ一つ実行していこう.まだよく煮詰まっていなければもう一度考え直し,それから実行に移そう.そして継続するのだ.
  • 企業の良し悪しは,客に対する配慮を見ればよくわかる.落ち度がないか気を配るというのも同じことである.

 

Ⅸ 積極的に生きる知恵

  • もし,成功を望むのであれば,何事も積極的に受け入れる姿勢が必要だ.
  • 人間は,考えてみれば池や湖のようなものだ.たえず水が流れ出したり流れ込んだりしていなければ,すぐによどんでしまう.
  • 会社が給料をくれるものだと思っているが,実際は客がやってくるから会社は給料を支払えるのである.会社自体は,ごくわずかしか金を持っていないのである.
  • 自分の身の上に置きたことをすべて喜んで受け止め,そして次へ次へと進んでいくことが大切なのです.
  • 世の中は開かれているのだ,と.
    自分がどのような考え方を持っていようと,世の中はそれをすべて認めるのだ,と.
    だからもし「俺はチョコレートチップ・クッキーの店を開くぞ」と言えば,
    そのとおりに反応が返ってくるのです.
    そして自分の努力に必ず報いてくれます.いつか必ず店を開けるようになります.
    反対に,もし「ああ,どうしたらチョコレートチップ・クッキーの店が開けるだろう.私にはわからない.一生できそうもない.」と言ってごらんなさい.
    そのとおりの結果になります.まず店を持つことはできません.
    自分がどういう考え方をしていようと,世の中はそれに合わせて反応してきます.まっすぐ自分にはね返ってくるのです.
  • いろいろなことを体験すればするほど,よいことにも多く出会えるのですから.
  • 意欲ある管理職たちは,重要だと思った本はどんどん読むべきである.
  • 人より優れた才能(つまり"卓越さ")というものは,それがなんであれ,ただ訓練を繰り返し,それを日常の習慣にしてこそ初めて得られるのである.
  • 「日々何をしているかで人間の資質は決まる」
    だが,何をするのかは自分が選択することである.卓越さは習慣の結果なのだ.
  1. いろいろなことに充実感を味わえること.
  2.  圧力に対して柔軟に対処できること.
  3. 自分の長所と短所を見極め,受け入れること.
  4. 他人を個人として尊重すること,その重要性を理解すること.
  5. 何事にも積極的,建設的であること.
  6. 人を愛することができること.

 

エピローグ

  • 成功する人間は,自分の力で人生という車の運転をするし,成功できない人間は,運転を他人に任せ,自分は後部座席に座ったままでいるのである.
  • 自分の欲求,決意が本物であれば,それにふさわしい成果は生まれるものである.そのためには自分の長所を伸ばすこと,持ち味を生かすことだ.
  • もし,友人の進歩や成功を喜べないとしたら,それを喜べるレベルに至るまであなた自身努力して進歩や成功を自分のものにすればよいだろう.
  • 運がいい,あるいは幸運とは,準備を積み重ねたものがチャンスに巡り合ったときに実現するものだ.
    「あいつは運がいい」などという人間には,計画を立て,研究し,準備を整えることの重要性がわからないのだ.幸運を手にするには長い時間,厳しい仕事をし,しっかりした決意を持ち続けることが必要なのだということが理解できず,ただ結果だけを見て,運がいいと羨むだけなのである.
  • 人間は普段の自己のイメージどおりにふるまおうとする傾向がある.
  • もし自分の願望に向かって自身を持って進んでいくならば,そしてその願望を実現するために奮闘するならば,きっと思いがけない成功に恵まれるだろう.