できる人は統計思考で判断する
できる人は統計思考で判断する: 「自分の頭で考える力」がつく35のレッスン (単行本)
- 作者: 篠原拓也
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2018/07/06
- メディア: 単行本
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本書で身につく「5つの力」
- 「部分」から「全体」を簡単に推測できる.(推測する力)
- 「仮説」で考えると,正しい決断ができる.(決断する力)
- 「何が必要で,何が不要か」ラクに選択できる.(本質を見抜く力)
- シンプルに考えると,問題は自然に解決する.(シンプルに考える力)
- 見方を「ほんの少し」変えると,頭が柔らかくなる.(柔軟に考える力)
はじめに
- 統計思考とは,情報が正しいかどうかを客観的に分析して,適切な判断を行うための合理的な考え方のこと.
- 統計思考とは,「あなたの問題を解決し,人生を切り開く」考え方.
CHAPTER1 その情報は「ウソ」か「本当」か
- 推測には,どうしても不確実性が残ってしまう.
- 推測力を高めるためには,「統計データを正しく理解すること」が最も重要.
- 世の中で起こる事象の大半は,非線形の関係.
- 初期条件のわずかな差が,結果に大きな違いをもたらしてしまうため,確実性の高い予測は困難.
- 統計は,データを用いて定量的に示す点で,見るものに有無を言わせない説得力を持つ.
- 確率的だと仮定することで,結果的に適度なバランスを実現できる.
→ 強く意識しないで行なわれた判断によって,適度なバランスが実現する.
・SPBR( 確率的ポイントレンダリング) - 人は,過去の経験からなかなか抜け出せない.
- 回帰分析とは,複数の物事の関係性を明らかにすること.
- 回帰分析は,推論を裏付ける証拠の1つにはなり得るが,回帰分析だけで推論の正しさが証明できるわけではない.
CHAPTER2 その戦略は「不利」か「有利」か
- 自分の決断が正しいと導くための仮説を立て,それを裏付ける情報を集める.
- 集団思考と群知能.
- 情報が多すぎると,迷いや混乱を引き起こし,判断をミスリードすることがある.
- 決断力を強化するためには,いかに不要な情報を捨て,必要な情報だけを選び取るかが重要.
CHAPTER3 その選択は「損」か「得」か
- 平均値の計算のもととなる集団に注意して,データが均質といえるかどうかを考える必要がある.
→ 平均値は,外れ値に引っ張られる. - 集団のちょうど真ん中のデータの値である「中央値」や,もっとも多く発生したデータである「最頻値」が,平均値の代わりの指標の候補になるかもしれない.
- 何事についても,得られた情報を単純に信じるのではなく,批判的に見る姿勢が「本質を見抜く力」を強化するための第一歩となる.
CHAPTER4 そのリスクは「避ける」か「取る」か
- 世の中が,複雑化しているからこそ,私たちには「シンプルに考える力」が必要.
- 統計思考では「大事な情報だけ」に焦点をあてることを重視する.
- 物事をシンプルに考えるためには,適度にいい加減な姿勢も必要.
- 複雑なことは,「モデル化」すると理解しやすくなる.
- モデル化とは,複雑なことから重要なものだけを取りだして,シンプルにすること.
- 上手にランダム要素を取り入れることで,物事をシンプルに検討したり,研究したりできる.
CHAPTER5 その結果は「不当」か「妥当」か
- 収集できなかった情報を考えることが大切.
→ 戦闘から帰還した戦闘機の被弾状況を分析.
→ 胴体部分に被弾が多い.
→ しかし,得られた情報は被弾してもなんとか帰還できた戦闘機のものだけ.
→ 本当に分析すべきは,帰還できなかった戦闘機が多く被弾した箇所.
→ つまり,帰還した戦闘機では被弾が少なかったエンジン部分を補強すべき. - 何らかのデータをもとに傾向を推定したり,将来の動向を予測したりする際には,まず各データの母集団が同質であることを確認する必要がある.
- 標本の「数」と「とり方」によって,結果が変わってくる.
- 統計を行う際には,母集団から取り出したデータが様々な分布を見せる.
→ データの分布図を描いたり,平均や標準偏差を計算して,母集団の特徴を把握する.
→ そのとき問題となるのが「外れ値」. - コンピュータは,データの処理をすることができても,考えることはできない.→ 統計データの「結果の意味を読み取り,解釈し,判断する」,つまり,考えることは,私たち人間の役割.
- 統計思考の「主役はあくまで人間」.
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