Highlighting Feature Regions Combined with See-Through Visualization of Laser-Scanned Cultural Heritage
Paper(2100 words)
レーザ計測された文化遺産の半透明可視化と組み合わせた特徴領域強調可視化
Abstract
- 特徴領域を強調する高精細半透明可視化を提案する.
- 提案手法を用いて,文化財の3次元構造をクリアに認識することができる.
- 半透明可視化は,内部の3次元構造を把握するのに効果的.
- 点群に基づいた3次元構造全体を把握するためには,特徴領域を抽出・可視化するメソッドが必要である.
- これら2つのメソッド(特徴抽出・可視化)を組み合わせた.
1. Introduction
- レーザー計測で,文化遺産の内部と外部を独立して計測することが可能となった.
- しかし,従来の不透明レンダリングでは,内部構造をコンピュータで再現することができない.
- そのため,高速かつ精確に,レーザー計測された大規模で複雑な点群を半透明可視化する手法(以下,SPBR)を開発した.
- SPBRを用いれば,容易に内部構造を含む文化財の構造を見ることができる.
- しかし,SPBRにも問題がある.それは,不透明度が低い場合,全体の外形が不鮮明になることである.
- 本論文では,計測点群のエッジを代表とする特徴領域を強調することで,よりクリアに可視化する.
- 特徴領域を抽出するために,Relative Gradient Method(相対勾配法)とPrincipal Component Analysis(主成分分析)に基づく手法が提案されている.
- 相対勾配法は,注目点から任意(arbitrary)の近傍に存在する法線ベクトルの内積を計算することで評価する手法である.
- しかしながら,正確な法線ベクトルは,計測点群からでは取得することが困難である.
- そこで,各点を中心とする計数球内の点群に対して主成分分析を適用し,得られる第3主成分ベクトルの固有値を擬似曲率(pseudo curvature)として評価する.
- これは,点群によって表現された3次元形状から,二面角(dihedral angle)や平面のような3次元構造情報を取得するのに適した方法である.
5. Conclusion
- 本研究では,計測点群の特徴領域を強調して,3次元形状の視認性を向上させるための手法を提案した.
- 半透明可視化にはSPBRを,特徴領域の抽出には主成分分析を用いた.
- 従来の不透明度制御法では,形状の一部が不鮮明になってしまう問題があった.
- しかし,提案手法は,算出した特徴量に応じて不透明度を制御することがが可能.
- それゆえ,形状把握に重要な特徴領域が強調され,従来法より視認性が向上した.
- デジタルアーカイブとして公開する場合は,容易に独自の形状を可視化することが重要である.
- それゆえ,提案手法は,文化遺産の保存と継承(succession)に貢献できる.
4. Visualization Results
3. Proposed Method
- 提案手法は,主に以下の2つのステップからなる.
1. PCAで特徴領域を抽出.
2. 抽出した特徴領域に応じて,不透明度をコントロールすることにより,強調する.
A. Feature regions extraction method
- 本研究では,特徴領域を以下の図のように3つのグループに分けて定義する.
- レーザ計測時に表面の点群が計測できない可能性があるため,平面外縁部も抽出する必要がある.
- 注目点が(1)コーナーの場合,第1主成分=第2主成分=第3主成分が成り立つ.
- 注目点が(2)稜線の場合,第1主成分>第2主成分=第3主成分が成り立つ.
- 注目点が(3)平面外縁部の場合,第1主成分>第2主成分,第3主成分=0が成り立つ.
- それゆえ,特徴量を以下の式で定義する.(0.0<=F<=1.0)
B. Feature regions highlighting by opacity control
- 算出した特徴量Fの値に応じて,不透明度をコントロールする.
- 特徴領域を強調するために,
・Fが大きければ(=エッジ部),不透明度を高く設定する. - 特徴量と不透明度との対応関係は,以下のグラフのとおりである.
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