内定力
Chapter 0|就活を「ゲーム」と捉える
- いま「正しい」と言われている就活は,もはや時代とズレた方法になっているのかもしれない.
- 「就活も,もっとゆるく,もっと楽しみながらやってみたらどうだろう?」という仮説.
- 就活の本質は,社会人から「信用を得る活動」.
- 世間の「就活」と言われることは,ぜんぶ「信用させる」ため.
- 企業の人たちから信用を得ることができれば,内定は出る.
- 就活ゲーム10則:
- 「思い込み」捨てよう.
- すべては「信用」を得るために.
- 「欲求」を知ろう.
- 伝えるための「言葉」を磨こう.
- 「おっさん」に慣れよう.
- 「過去」を語るために整理しよう.
- 自分の「活躍条件」を知ろう.
- 「伝え方」を考えよう.
- 知っている「世界」を広げよう.
- そして「幸せな未来」を描こう
Chapter 1|「就活ゲーム」の遊び方
1 「絶対達人」の呪いを解こう!
- 企業が探しているのはショッカーやザクなんかじゃなくて,個性をもった「レアキャラ」.
- 「絶対達人」の呪いとは,つまりは「正解に合わせようとする」こと.「型にハマる」こと.
- 就活ゲームを始める上で,この「絶対達人の呪い」を解いておくことが,大事な準備運動.
2 就活ゲームの「クリア条件」は?
- 就活ゲームのクリア条件は,企業の人たちから「信用を得る」こと.
- 企業の人たちはいつも,学生を「信用できるかどうか」で見ている.
- 学生を信用できたら「一緒に働きたい」と思うし,「これから活躍できそうかどうか」で信用できないから落とすわけ.
- 社会はいつも「信用」で成り立っている.
- 信用をたくさん獲得できる人はそれだけ評価を得られる
- 就活っぽいことをしなくても,信用されさえすれば内定は出る.
- 得体の知れない「就活」というモンスターの正体は「信用」でしかない.
端的に言えば,就活って「言葉で自分を信用させる」活動なわけです.
じゃあ,なぜ信用されないかと言ったら,原因は2つだけ.
「言葉でうまく伝えられない」ことと,「自分のことがよくわからない」ことです.
- これからの社会やビジネスの世界では,信用を獲得できる人が一番の人気者になれる.
3 「分析」や「研究」よりも自分の好みをわかっておこう
- 「自分が知らないことを,無理やり話そうとする」から,迷っちゃう.
- 自分の「好み」をわかって,それを起点に,信用につながること「だけ」をやっていく.
4 就活をシンプルにする「SGモデル」
- 就活ゲームで,すべての土台になる「自分はどんな人なのか」という方向性.
- どんな環境なら自分の能力が発揮しやすいのか,どんな条件下だとやる気が起きないのか.
- 自分が活躍できる環境・条件がわかれば,理想の環境を選べるようになる.→ いわゆる「就活の軸」
- 自己PRで伝えることは,この3つだけ:
- 自分がどういう人か
- それを証明する過去の話
- 「こういう環境で頑張れる」という説明
ぼくはこんな人,こんなことをしてきた,こういう条件が揃ってたらがんばれる,
あとは「それが,あなたの会社にもありますよね?」と言えればいい.たったそれだけ.超シンプル.
そこまでいったら,「そんなぼくが,そんな御社で働いたら,こんな感じになれそうじゃないですか?」と言ってあげる.
- 得意な「闘い方」ができる環境が「あるかどうか」を判断する情報さえ調べればそれで解決.
Chapter 2|自分の「キャラクター」を見つける
6 「自分のフィールド」はどこだろう?
- 自分に合った努力をして,自分に合った闘い方をする.その方向性を決めるのが,就活ゲームの「キャラ」8種類:
- 人のため組織のためにがんばる「勇者」
- まわりの注目を集めたい「旅芸人」
- 勝つことが何より大事な「戦士」
- 新しいことに飛び込み続ける「武闘家」
- 規律と情報で判断をする「魔法使い」
- 実験と検証で理論を生み出す「発明家」
- 自らのあるべき姿を追い求める「僧侶」
- 自由な発想で世を見つめる「吟遊詩人」
- キャラを決める判断基準は,あなたの「欲求」:
- 好かれたい「有効種族」の勇者と旅芸人
- 勝ちたい「格闘種族」の戦士と武闘家
- 知りたい「研究種族」の魔法使いと発明家
- 究めたい「求道種族」の僧侶と吟遊詩人
16 「欲求」がわかると,人がわかる
人が動き出す理由も,やる気が出る理由も,がんばったりがんばらなかったりするのも,そこにはいつも「欲求」がある.
人の行動の背景には,いつも何かしらの感情や欲求がある.
- 企業の人たちが見ているのは,学生の学歴でも実績でもスキルでもない.
- 彼らが知りたいのは,「どんな欲求が強い人か」
- そして,そんな欲求が生まれたときに,「どんな動き方をする人か」
スキルを身につけたり実績を残したりするのも,それらはすべて本人が「がんばった」からこそついてくる結果です.
だから,その「がんばるスイッチ」と,そのときの「動き方」がわかるほうが,よっぽど「その人」のことがわかる.
- 選考で問いかけられる質問のほとんどが,「欲求・動機」と「行動特性」がキーワード.
- 「がんばるスイッチ」と「スイッチが入ったときの動き方」の確認
Chapter 3|言葉を磨くための「ぼうけんの書」
19 就活ゲームの必須アイテム「言葉」を磨く
- 就活で学生が抱える悩み:
- 「自分がわからない」
- 「言葉をうまく使えない」
- 就活は「言葉で」自分を信用させる活動
- 感情や状態の言語化
- 社会人になったら,いろんなものを言葉で説明する必要が出てくる.
20 感情を捉え,言葉を磨くための「ぼうけんの書」
- 感情はポケモンに似ている
- その場で捕まえないと,すぐに逃げてしまう.
- 感情が言葉としてセーブされて,「思考」になる.
言葉にして初めて,「考える」ことができるようになる.
言葉にして初めて,「他者に伝える」ことができる.
21 「4本の矢」で言葉を強化する
- 「ぼうけんの書」のキモは,思考を深める「4本の矢」:
- 理由を探る「なんで?」の矢
- 何かを感じたときには,その感情が生まれた理由や背景がある.
- 根拠を示す「たとえば?」の矢
- 具体的にどういう部分がそれを引き起こしたのか,を言語化する.
- 検証を促す「ホントに?」の矢
- タネが事実かどうかを確認,検証する.
- 見解を呈する「だから?」の矢
- 「じゃあ,どうする?」を考える
- 理由を探る「なんで?」の矢
- 「4本の矢」は,面接そのもの.
- 面接で大事なのは自己PRそのものじゃなくて,自己PRの「そのあと」.
- 自己PRはあくまでも「お品書き」みたいなもの
- お品書きを提示したら,相手はそれに合わせて注文(質問)してくれる.
24 「インタビュー」気分で面接を
- 企業の人たちは,「どうやったら,モット学生の素の姿を引き出せるんだろう?」と,毎年毎年考えに考え続けて,悩んでいる.
- 「素の状態を見たい」と考えている企業と,「こうしないと評価されない!」と考える学生たちの間にミスマッチが起きている.それが就活の現実.
- 就活における面接は,「インタビュー」.
- 「ワタクシは!」って言ってるイチローの言葉を信用できないように,「3つあります!」とか言う桜井さんを気持ち悪く思うように,そんな話し方をする人は,信用できない.
Chapter 4|キャラクター別「レベルアップ法」
25 「武器」と「闘い方」でキャラを立てる
- 「武器」とは:
- 企業の人たちを信用させる,「キャラを証明する事実」.
- 「自己PRや面接のネタ」であり,「過去のエピソード」.
36 就活の旅のコツ③ 「解釈」と「相場観」を持つ
- 自分が興味を持った対象について,それらが持つ意味を考える.
- 「解釈」が含まれてこそ,発信する言葉に意味が生まれる.
- 自分とは違う他のキャラの人たちの感情や思考回路,行動パターンを知ると,「他の人が自分とは違う」ことがわかる.
- 「自分以外のキャラを知る」ことで,アピールの軸が定まる.
Chapter 5|「必殺技」を身につける
37 「必殺技」を生み出そう
- 以下の項目を凝縮したものが自己PRであり,必殺技のようなもの:
- 「キャラ」でわかった自分の欲求や特性.
- 「ぼうけんの書」で培った,言葉の基礎体力.
- 「武器」としてのキャラっぽい過去のエピソード.
- 自分の力を最大化する「闘い方」.
- それらはすべて「信用獲得」のために使うこともわかってる.
- 「400文字の自己PR」こそが,ゲームクリアの必須アイテム.
- 自己PRに必要な秘伝の奥義7つ:
- ひと言で表せる「コンセプト」を立てる
- 「プロット作成」で,素材と流れを整理する
- 「予告編」を作るために3倍量で書く
- 「映像化」によって,イメージを喚起する
- ヤンキーゴミ拾い理論で「ギャップ」を生む
- 興味・理解・納得を「1・5・1構造」で組む
- 「未来宣言」で先のイメージを描く
38 自己PRの奥義①「ひと言コンセプト」
- 企業の問いかけはいつも,「あなたはどんな人ですか?」
- それに対して,「私はこんな人ですよ」を答えるだけ.
- ESや面接では,それがいろんな角度から投げかけられているだけ.
- そのときに一貫した方針,コンセプトがあるといいわけで,それがないから受け答えに一貫性が生まれなくなる.
39 自己PRの奥義②「プロット作成」
- 絶対にハズせない要素と,大まかな流れをはっきりさせる.
- 必殺技の方向性が決まって,使える要素が見えている状態にする.
40 自己PRの奥義③「予告編」
- 予告編が面白いのは,「ここぞ!という面白いところを短くまとめている」から.
- 優先順位の低い箇所を削って,密度を上げる.これを自己PRでもやる.
- 自己PRはとにかく量を書く.そこから「おいしいとこ取り」をして,400文字に凝縮する.
- そうやって予告編に編集された自己PRは,自分のエッセンスがギュギュッと詰まった濃厚な文章になるはず.
- 編集する際は,「コンセプト」に関係する言葉だけを残していく.
- 実績や成果だって,どんどん捨てて構わない.
- 自己PRで必要な情報はあくまでも「自分のこと」だけでしかない.
- そうやって作った文章は,そのすべてがコンセプトにつながる言葉だらけになる:
- コンセプトを説明する言葉
- コンセプトを証明する言葉
- コンセプトを補完する言葉
- コンセプトを強化する言葉
- コンセプトの根拠になる言葉
- コンセプトの先にある未来を描く言葉
41 自己PRの奥義④「映像化」
- 自己PRでも面接でも,具体的にするには:
- 「人によって評価やイメージが変わらない言葉」を使う
42 自己PRの奥義⑤「ギャップ」
- 自己PRも「良い」を伝えるために,あえて「普通」を入れてギャップを作る.
- 「何かと比較する」ことで,元の情報の価値を高くみせるテクニック.
- 「周囲の人たちとの比較」が簡単
- 「他の人たちはゼミの時間しかやらない中で,ゼミ以外の時間も費やしてがんばった」
伝えたい言葉の前に「比較対象」を置く.
43 自己PRの奥義⑥「1・5・1構造」
- 受け手の反応は3段階:興味→理解→納得
まずは相手の「興味」を引いて「おっ!?」と思わせ,聞く態勢にさせる.
その上で,概要を「理解」させて,「ふむふむ・・・」の姿勢にさせる.
そこからしっかり内容を説明して「納得」させて,「なるほど!」と思わせる.
これが自己PRの必勝パターン.
- 「1秒」で興味を引いて,「5秒」で理解させて,「1分」かけて納得させる.
- 実績やスキルで「こんなことをしてきました,すごいでしょ?」的な自己PRではなく,ちゃんと相手の知りたいことに答えるために,相手に興味をもたせて,理解を促し,納得させる.
44 自己PRの奥義⑦「未来宣言」
- ここまでの奥義は,あくまでも「過去」を効果的に伝える方法だった.
- 確固たる信用を得るためには,やっぱり「未来」の話をしておきたい.
- そのためには,これから活躍するかどうかの判断を相手に委ねるのではなく,こちらから提示しておく
- 自分のことを伝えたら,「だから何?」を伝えなくちゃ,それまでの話は意味をなさない.
- 相手は真剣に,これから一緒に働く仲間を探している.そこで大事なのは,企業の人たちからの「2つの信用」を得ること:
- 「自分という人間」を信用させること
- 「これから」に対する信用
- 少なくとも「自分は,これからこうしていくよ」と言っておきたい.
- 他の学生たちが「自分が自分が! こんなにすごいんです!」と言っている中で,そこで違いを見せましょう.
Chapter 6|自分に適した「パーティ」は?
46 「童貞メンタリティ」が嫌われる
- 学生の志望動機は,なぜ企業の人たちにヒットしないのか.
- それは,「自分のことしか考えていない」から.
- 素の自分を見せつつ,相手のメリットも一緒に考える.
- もう一つ大事なのは,志望動機と自己PRの「整合性」.
未来は,過去からの延長線上にしか存在しません.
少なくとも,人を納得させるためにはそう.
だから,志望動機は自己PRとリンクさせましょう.
「これまでもやってきた」,「それが会社という環境に入ったら,もっとできそうでしょ?」
って言えるから,その言葉には説得力が生まれるわけです.
47 シンプルで信頼される「志望動機」のつくり方
- ぼくらが知りたいのは,自分が楽しく働ける場所.それでいてどこかの誰かの役に立てる場所.
- 会社選びは,「自分の活躍条件があるかどうか」だけで判断する.
- 「自分はこんな人です」→「こんなかんじでやってきました」→「そんながんばれる環境や条件があると思ったからです」
- これだけで充分に,会社を志望する理由になる.
志望動機って,相手に合わせて擦り寄ることじゃありません.
共通点は大事ですが,それは相手に合わせることじゃありません.
あくまでも,自分をもった上で共通点を見つけること.
自分のスタンスが明確で,自身をもって相手との共通点を伝えること.
- 「自分がもっとがんばれる環境が,あなたの会社にあると感じてるんです.」
- 企業の人たちはみんな,学生が自社で活躍している姿を想像したくて仕方がない.
- 「自分はこう」,「これまでもそうしてきた」,「だから,合うでしょ?」.志望動機は,この3つのステップを伝えるだけ.
- 企業ごとに志望動機を書き変えなきゃいけないとしたら,それは企業に擦り寄っているということ.
- 自分が活躍できる環境・条件が「あるかないか」だけで決める
48 「志望動機」を進化させる
- 逆質問では,自分の「闘い方」の延長線上に重なる社会を知るための質問をする:
- 「〇〇な環境でがんばれるのですが,そのような仕組みはありますか?」
- 「〇〇が大事だと自分は考えているのですが,そのあたりはどうでしょうか?」
- 選考の前半では「人」を見ていて,後半では「相性」を見ている.
Chapter 7|シーン別就活ゲーム攻略法
51 「強みと弱み」の攻略法
- 「弱み」を聞くのは,自己認知と姿勢を知りたいから.
- 「どれだけ自分のことを客観視できているか」
- 「その弱みに対して,どう向き合っているのか」
- 「弱み」を考えるなら,「それができたら,もっと良くなるのに」という部分を考える.
- それに対してどう考えているか,そうなれるように何をどうしているのか,まで考えられたら,企業の人たちからの信用は,より得られやすくなる.
52 「○年後の自分」の攻略法
- 社会人として目指すのは,「自分が最大限,楽しめている状態」であり,「人から求められ,評価されている状態」
- 「自分が大事にしているもの」,「自分が目指したい状態」を伝える.
- ヒントは,「どんな分野で」,「どんな人たちに」,「どんな影響を」,「どんなものを」,「どんなレベルで」というあたりにある.
53 「挫折経験」の攻略法
- 企業の人は,「自分の思いどおりにいかなかったとき,どう捉えて,どう動く?」ということを知りたいだけ.
- ちょっとしたストレス耐性と,しんどいときの思考の傾向とか行動特性を知りたい.
55 「グループ選考」の攻略法
- 企業が知りたいのは,お題に対する正しい答えでも,あっと驚くアイデアでも,会議をきれいにまわすスキルでもない.
企業の人たちは,「学生の素の姿」を見たいんです.
社会人を交えず,学生同士が自然な会話をしている状態を見ながら,
そのうえで集団の中でどんな言動をする人なのか,他者への気配りができているか,
「自分が自分が」になりすぎていないか,集団の中で欲求や感情をどうやって発揮する人なのかを見る.
- グループディスカッションの選考基準は,初対面の人たちと「いい感じ」で共同作業ができるかどうか.
56 「最終面接」の攻略法
- 「本気かどうか」で結果が変わるのが,最終面接.
- 最後の最後は「本気」かどうか.どれだけお互いに本気になれるか,が見られる.
- 世の中のほとんどが「本気」で解決できちゃうんじゃないかというくらい,本気であることは重要な要素.