頭がよくなる思考術
- 作者: 白取春彦
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2019/02/28
- メディア: 単行本
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はじめに
自分一人で正確に考えることなどできない.
だから,互いに話しあい,本を読み,試行錯誤しつつベターな考え方,手段,生き方を模索していくのである.
Ⅰ 「答えを出せる」頭をつくる
1 書いて考えよ
- 人間は言葉を使ったときにだけ,ちゃんと考えることができる
- 具体的には,紙に文字を書いて考えるのである
4 自分の考えを批判せよ
- 自分の考えを他人の考えのようにみなして批判することによって,さらによい考え,より広い有効性を持った考えに発展させることができる
- そうすることによって,最初の考えは徐々に修正され,ベターになっていくものだ
7 動きながら考えよ
- 乗り物で移動しているとき,風呂に入っているとき,歩いているときに,頭は適度に動き,新しい考えを得ることが多い
8 損得のハカリを捨てよ
- 多くの人にとって何が喜ばしいかを判断の基準とする
9 視野の狭さを自覚せよ
- たくさんのものが他にあっても,自分が関心を持つ特定のものにしか意識が集中されないのである
- 自分は今現在の範囲でしか物事を見てはいないということを忘れないでいるようにする
10 脳に勝手に考えさせよ
難しそうだなと思ったとき,わからないと思ったとき,とりあえず眺めてみる.
あちらこちら頁を開いては,つまみ食いするようにちょっと読んでみたりしているわけである.
すると,不思議なことが起こる.時間がたつほどに何かがぼんやりと見えてくるのだ.
そして,そんなことを何度か繰り返していると,いつのまにか全体を読んでいて重要点をしっかり理解できるようになるのである.
何か面倒な問題が起こったときも,自分がその前から逃げない限り,脳は勝手に考えてくれるものなのである.
12 考えを素直に話せ
- 疑問に思うことを素直に尋ね,尋ねられたら何一つ隠すことなく答える
14 知識を増やせ
- 知識は暗記によって得られるものではない
- 暗記という方法で得た多くの事項や用語は最初から互いに結びついていないので知識として残ることはないからである
知識はただ興味の連続によって得られる.
つまり,もっと深く知りたいという強い興味がひとつながりの多くの知識を呼ぶのである.
それら知識はもはや暗記する必要などなく,一度見ただけでも頭に残るようになる.
16 自分の頭を使え
- 自分の頭と言葉で一度考え直したものしか人間は本当に理解できていない
- 頭がよくなるシステムがどこかにあるわけではない.本人がちゃんと頭を使って考えているかどうかだけなのだ
Ⅱ 「迷わない」頭をつくる
17 「他人の思惑」を気にするな
- 「他人の思惑」というものの正体は,「自分が想像している他人の思惑」なのである.つまり,事実としての他人の思惑ではない
- であるならば,他人の思惑を考慮することは結果的に徒労だということになる
- もちろん,他人の思惑を考慮したうえでの自分の考えや態度も無意味に帰する
19 心配は悪と心得よ
22 自分を隣から眺めてみよ
- あくせくしたり,迷ったり,悲しんでいる自分を,隣から眺めているもう一つの眼を持つことを勧める
24 俯瞰する眼を持て
27 迷いや停滞を歓迎せよ
- 迷いながらもいろいろと模索しているうちに,足りないものが埋められて,迷いがより少なくなる
- 何をするにしても,ある程度のしんどさを克服しなければ完成には至らないものだ.そういうしんどさや迷いを克服してやりとげるからこそ,達成感が味わえるし,満足感もひときわ大きくなる
28 偶然の一手にゆだねよ
誰でも自分のこれまでの人生を振り返って観察してみればすぐに気づくはずだ,
いかに人生の要所要所においてさまざまな偶然が起きて今の自分をつくってきたかを.
このことをはっきり自覚すると,いたずらな不安は消えて自然と楽観的になれる.
Ⅲ 「楽しく生きる」頭をつくる
33 人生を塗る色を自分で選べ
- 考え方によって,病気は暗く陰惨なものにもなるし,明るい希望を秘めたものにもなる
34 問題の中に教えを見出せ
- やっかいで,手間がかかって,時間をつぶす,どうしてもくだらないとしか思えない問題を,一変させる方法がある.問題の中に教えを見出すのである
35 仕事を喜びにせよ
- 真摯に,積極的に,熱意をこめて,注意深く,たずさわりさえすれば,仕事はやりがいと生きがいを与えてくれるのである.
- やりがいのある仕事がそこにあるのではなく,自分の姿勢と取り組み方だけが仕事に生気を吹き込むことができる.
36 雑用を丁寧に行え
- こまごまとした用事を丁寧に行うならば,あなたはたしかに精神的な安定感を得るだろう.心の一部が澄んだ状態になるのだ.そういう澄んだ心が他の事柄に影響を与えないはずがない.
40 果てのない欲望から離れよ
- 多くの人の悩み・苦しみは欲望から来ている.どういう欲望か.他人が欲しがっているものを欲しがるという欲望である.
- 多くの他人が欲しがるものをあなたも追うならば,悩みと苦しみはずっとつきまとうことになる.なぜなら,どれだけ多く得たとしてもまだ足りないからである.
- なにかに価値を与えるのは常にあなたなのである.他人ではない.
41 「幸せ」ではなく「満足」を求めよ
- 自分がまじめに力を尽くすならば,仕事においても生活においても必ず満足が得られる.
- 満足は,自分の行いによって,その必然的結果として得ることができる.
Ⅳ 「クリアな」頭をつくる
43 「絶対安静時間」を持て
- 朝,行動を始める前に,何もせずじっとする時間を二十分程度,夜に三十分程度,確保するのである.これを行うと,一日を冷静に送れる.
Ⅴ 「創造する」頭をつくる
47 「あたりまえ」を疑え
- なにか新しいことをなす人は,要するに発見する人である
- 他の人が発見していないのに,なぜその人だけ発見できるのだろうか.答えは簡単だ.あたりまえのことをあたりまえとせずに疑うからである.
- 「あたりまえ」とは,実は間違った言い方だ.本来は「当然」という.
49 行動を解放して創造性を呼び起こせ
- 行動の自由と解放は内面の自由を呼び覚まし,そのときに今まで習慣や世間体がふさいでいたフタがこわれ,本来の自分の力,抑圧されていない自分の創造性が顔を出してくる.
50 創造の時間を大切にせよ
- 人間がいつ能力を発揮して生産的な活動をしているのかは簡単には判断できない
- どうすれば能率的に活動できるかなど,くよくよと方法論を考えても期待したほどの意味はないだろう.
- というのも,わたしたちは今も,さっきも,きのうも,明日も十全に活動しているし,ことさらに意識していなくても常に生産のための準備をしているからである.
51 時間を「深く」せよ
時間はたんに物理的なものではない.多くあるからといって,多く利用できるとは限らない.
なぜならば,時間は精神に関わるものだからだ.
つまり,自分の精神のあり方によって時間は長く豊かにも,短く浅くもなるということだ.
52 自分を新しくするための知識を増やせ
- 見る人の知識や見方によって,意味を持ったり持たなかったりする.
- つまり,自分の知識を増やす限りにおいて,世界はどんどん新しい意味を持って見えてくるということだ
53 頭のカタさを克服せよ
- 頭のカタさを克服するための最も手っ取り早い方法は,できるだけ多くの本を読むことである
読書はもう一つの重要な人生体験である.
そういう読書をせずして,考えが広がることもないし,自分が成長して変わっていくこともない.
本当に実行する人だけが,世の中や自分を新しく変えていくことができるのである.
あなたはそういう人になりたくないのだろうか.