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質問力

 

質問力 ちくま文庫(さ-28-1)

質問力 ちくま文庫(さ-28-1)

 

 

プロローグ

  • 初めて出会う人と,どれだけ短い時間で濃密な対話ができるか.
  • 質問するという積極的な行為によってコミュニケーションを自ら深めていく.
  • 聞くだけではなく,質の高い質問をつねに相手に発していく厳しさがなければ,「コミュニケーション力」はなかなか上達しない.
  • 「コミュニケーション力(質問力)」は,その他の自分の力を発揮する舞台を用意するために,まず必要とされる力.
  • 人間が成長していくためには,自分よりすぐれた人と対話をするのがいちばん早い.
  • 「質問力」に関してまず大切なのは,聞き方がうまければ,自分に実力がなくてもおもしろい人のおもしろい話が聞き出せるということ.
  • 質問の仕方はプレゼンテーション以上に,人の実力をあらわにする.
  • 「質問力」という力を認識できるようになると,自分の質問の実力がどれくらいか,常にはかろうとするフィードバックが起こる.それが実力の向上につながる.これがコンセプトの力である.(普段から意識できているか,いないか)

 

第一章 「質問力」を技化する

  • 日本人はたいてい話が終わったところで質問を考えるので,すぐ手を上げる人がいないのが普通.
  • 5個以上質問を作った中でいちばんよい質問をすれば,誰がやってもかなり精度の高い質問ができる.
  • 答を要求される場合は考えて答えるのに,質問のときは深く考えず,なんとなく聞いてしまう
  • 「個人的にどうしても聞きたいがおそらく他人には興味がないだろう」という質問は一番低いグレードに置く.
  • 講演会では多くの人がその質問によって時間を奪われる.そういう状況では,聴衆みんなのためになる質問を意識しなければならない.
  • つまり,「質問力」は,状況や文脈を常に把握する力が試されているといえる.質問を聞けば,その人間が場の状況やそれまでの文脈をどれだけ理解していたかが即座にわかってしまう.
  • 相手の苦労や積み重ねてきたものを掘り起こすような質問ができると,少なくとも相手にとっては深まった話ができた印象になる.
  • 母集団が20個から10個選んだのか,1000個から10個選んだのかで,その10個は違ってくる.10個出せるかどうかも重要だが,選んだ10個の母集団も重要である.

 

第二章 いい質問とはなにか?──座標軸を使って

  • いい質問のキーワードは「具体的かつ本質的」というものである.
  • 座標軸を技化することは非常に重要である.一回見ただけではあまり効果がないが,いつも自分の質問を座標軸にあてはめてチェックする習慣をつけておくと,質問を発するときに座標軸が自然に頭の中に浮かんでくるようになる.
  • 質問とは相手の状況,興味,関心を推しはかり,自分の興味や関心とすり合わせてするものである.自分の一方的な興味だけで聞く質問は,相手にとって苦痛以外のなにものでもない.
  • 頭を整理させてくれるような質問を自分にふってくれる人はありがたい.
  • 自分はあまり聞きたくないが,相手はその問いに答えたくなる.これは「気配りゾーン」.自分は興味がなくても,相手が関心を持っていれば,質問して相手を盛り上げる.
  • 質問は充分練って作らなければならない.いくつか考えた上で取捨選択して選んでいく.あるいは1つの質問をブラッシュアップさせていく.
  • 質問は思いつくものではなく,練り上げるものと思うのが上達の近道である.

 

第三章 コミュニケーションの秘訣──①沿う技

  • コミュニケーションの秘訣は「沿いつつずらす」ことにつきる.
  • 沿うことを前提にした上で,角度をつけて少しずらしていくのが私が経験的に得たコミュニケーションのコツである.
  • うなずきがしっかりできていると,沿ってもらっていると感じるので話す側が勇気づけられる.
  • 知らない人や友達以外の人とうまく関係を保っていくためには,うなずくことが大事.
  • 「なるほど」とか「そうですね」とか「はあ」とか「ほう」とか相槌を入れると,ずいぶんと話しやすくなる.
  • 相手の言った言葉を自分の言葉で言い換える.自分の言葉で言い換えることができれば,その内容が咀嚼されて自分のものになっていると相手に示すことができる.
  • 相手が少し前に言った言葉をもう一度,今の文脈に持ち出す.
  • 相手の話の中にキーワードをまず見つける.そして相手の口から発せられた言葉を自分も使うと,相手は大変好感を覚える.
  • 相手の言葉を自分の言葉に組み込んで話すことで,相手と共感や同調ができる.
  • その人間が一番力を入れている部分をしっかりと認めることがコミュニケーションには必要である.
  • コミュニケーションのコツはその人の奥底にある経験を引きずり出してくるところにある.
  • 相手の言ったことに対して,「それは別のこれと似ていますか?」と質問するのは,質問の王道である.
  • コツについて聞くのもいい.「どんなコツがあるんですか」「そのコツをどうやって見つけたんですか」という質問は,総じて喜ばれる.
  • 発見をしたときの閃きや工夫したポイントについて質問する.
  • その人にしか聞けないことを聞くのが礼儀.そのためには事前に勉強することが大切である.相手のことを勉強すると質問の幅が広がる.

 

第四章 コミュニケーションの秘訣──②ずらす技

  • 「自分はすでにわかっているが,他の人も知りたいだろう」という質問は,配慮のきいた質問になる.この「大人のゾーン」の質問をうまくできるかどうかで,大人の対談になるかどうかが決まる.
  • 相手の中でごちゃごちゃしている部分を,質問によって整理し,相手の枠組みを少しずらしてわかりやすい形に直すのが,整理するという技である.
  • 「具体的に言うとどういうことなんですか」という質問がある.これはあらゆる場面で使える.「もっとわかりやすく言い換えるとどうなんでしょうか」とか「具体例をあげてください」という質問は,話がふくらみやすい.
  • 自分の経験的な世界や興味と相手の経験世界や関心をすり合わせるのがコミュニケーションの基本.

 

第五章 クリエイティブな「質問力」

  • 答えている当人が,その質問をされるまで思いもしなかったことが導きだされるものを,最もすぐれたクリエイティブな質問という.
  • 「〜という立場として聞く」という習慣は,会話をクリエイティブに組み立てていくために大変よい方法.
  • 相手が言ったことに対して「どうしてか?」と聞き,その答に対して「わかるよ」と受ける段取りは共感系の基本作法である.相手の答に「ああ,そうですね.わかりますよ」と受けていけば,話はいちおう続いていく.
  • 対話はその最中,1つでも自分自身が何かを思いついたり,新しいアイディアがわけば,非常にすばらしい出会いだったといえる.
  • 物事の結果について聞くより,何かが生まれてきた経緯について聞いたほうが得るところが多い.
  • ハイレベルの「質問力」で大切なのは自分自身にその質問をした時,どう答えるのかを,一応シミュレーションして,ある程度の答を用意しておくということである.
  • 単に知らないから聞いているのではなく,自分が相手について勉強した結果発見したことを仮説にして,相手に確かめる.
  • その人にとって活動の根幹をなしている本質的なテーマについては常にふれていたほうがいい.
  • 相手に対してよく勉強していて,他の人が気付かないようなポイントを質問することによって信頼を得るのは,コミュニケーションのひとつの方法.
  • その人が行っている事柄であまり一般的に知られていないポイントをつくと,「よく見てくれた」という評価につながる.そこで信頼関係が生まれる.
  • 質問や対話のコツとして,相手が苦労している事柄で表に出にくいポイントに関して聞くのは有効な方法である.