Microsoft 再始動する最強企業
はじめに
- 世界最大のソフトウェア会社はいかにして変わったか.どんな革新的な未来をつくろうとしているのか.これから,どんなことが起こっていくのか.ご紹介していこう.
Chapter1|12万人の10兆円企業をセロから作り替える
- テクノロジーはどうあるべきか,クラウドはどうあるべきか,目指すべきビジョンをしっかり語る一方で,お客さまにとってのリアリティは何なのか,ということを強く意識していた.
- お客さまにとって正しい利便性はなにか,という考えを貫いていますから,説得力があるんです.
- 「私たちは一体何者なのか.どういう存在なのか.何のためにこの仕事をしているのか.そして,お客さまに対してどんな価値を提供することができるのか.」
- Empower every pserson and every organization on the planet to achieve more.
→ 「地球上のすべての個人とすべての組織が,より多くのことを達成できるようにする」 - iPhoneはマイクロソフトの敵などではなく,マイクロソフトのアプリやサービスをたくさん使ってくれる素晴らしいデバイスだ,という発想.アップルは,マイクロソフト製品を利用する,いいユーザーをたくさん抱えている会社なんだ.
- 「どうやってマイクロソフトのクラウドを使ってもらうか」で生きる会社になるため,テクノロジーを最重視した考え方に変わった.
- 従来あった仕事を一生懸命やっていたところで,それだけでは評価にはつながらない.会社や市場にどんなインパクトを与えることができるか,が評価基準になる.
Chapter2|知られざる最強企業の全貌
- 「自己批判がものすごく強いんです.このままじゃいけない.もっと変わらないといけない.そういうプレッシャーがずっとあるというのは,間違いないと思いますね.」
- 「研究者コミュニティーに対して優れた研究をしてインパクトを出すのも大事だが,我々は民間の会社なのでプロダクトに対するインパクトも意識してほしいと.技術を開発して,プロダクトに技術移転して,より多くの人に使ってもらうことのインパクトだったり,あとはもう少し広い意味での社会に対するインパクトであったりするのも大事.」
- うまくいかなかったから,悪かったから変わっていこうということではなく,うまくいっているものから,シフトさせようとしている.
Chapter3|AIを最もスケールできる会社
- 「マイクロソフトのAI研究は,AIが人の代わりになる,仕事を代わりにやってしまうというものではなく,人がやっていることをもっと良くしよう,もっとうまくできるようにしよう,もっと生産性が上がるようにしようというものです.」
- AIはデータがとても重要.WindowsやOfficeから大量のデータを手にできるという利点がある.
- 「AIの民主化とはどういうことかというと,お金持ちの企業でなければ使えないようなAIにしないということです.ものすごく費用がかかるAIがありますからね.そうじゃなくて,どなたでもリーズナブルなコストで使えるようにしよう.しかも,使いやすい形で使えるようにしましょうということです.」
- 「さりげないAIで,人間の能力を拡張するお手伝いをするというところに主眼を置いてやっているのが,マイクロソフトのAIなんです.」
Chapter4|未来を激変させる驚異の発明
- ARの場合は,現実世界にベタッとシールのようにデジタルの情報を貼り付けているだけ.わかりやすい例でいうと,ポケモンGOではモンスターを見ることはできるが,モンスターの背中を見ることはできない.
Chapter5|驚異的な生産性を実現する仕組み
- フレキシブルな働き方で売り上げと生産性アップ.
- 会社としては,しっかり結果を出してもらえば,基本どこで仕事をしてもらっても構わないという考え方.
- 働き方改革は,働き方を変えることが目的ではない.少ない人数でたくさんの仕事をするための手段.少ないリソースで多くの仕事をし,それを持続可能な状態にする.
- 「機械には相関関係しかわからない.例えば,気温とアイスクリームの売上には相関関係があります.でも,どっちが原因でどっちが結果かというのは,言えない.機械には因果関係はわからない.」
Chapter6|ポスト・スマホ時代の覇者
- 1週間,何にどれぐらい時間をかけていたか,というデータが可視化される.そして,改善案をAIがアドバイスしてくれる.
- ビジネス領域のクラウドサービスでは,圧倒的な存在感をもっているのが,マイクロソフトである.その最大の強みは,自らが手がけるソフトウェアを通じて膨大なデータを持っているということだ.これは,スマートフォンで覇権を手にしたアップルとの最大の違いかもしれない.また,ビジネス領域では,それほどの存在感を持たないグーグル,ソフトウェアを持っていないアマゾンとも違う.