相対勾配法による3次元点群からの特徴抽出

論文

ci.nii.ac.jp

 

1. はじめに

  • 計測技術の発展により,計測データから空間情報を分析・理解する手法の需要が高まっている.
  • 特徴点の抽出や特徴量を用いた処理が重要である.
  • 本報告では,点群の法線ベクトルの勾配を定量的に評価する特徴抽出法を示す.

 

4. おわりに

  • 本研究では,注目点から指定した範囲内にある法線ベクトルの内積値から分散値を算出し,この値を評価することで,3次元点群をエッジや頂点など領域ごとに特徴抽出する手法を検討した.
  • 点の解像度(解像度は,各点からの最近傍点までの距離の平均値)の影響を受けるものの,法線ベクトルの内積値の分布から特徴抽出できることを確認できた.

 

2. 提案手法

2.1 概要

  • 平面の法線ベクトルは面に対して垂直になるが,エッジ付近の法線ベクトルは,面に対して垂直にならない.
  • この特徴に注目し,ある注目点とその近傍点の法線ベクトルから求まる内積値の分布から次の手順により,点群をグループ化する.
    (a) 点群に含まれる全ての点の法線ベクトルを算出.
    (b) ある点の法線ベクトルと,その点から特定の距離内にある点の法線ベクトルとの内積をすべて算出.
    (c) (b)で得た値から,内積値の分散$σ^2$を算出.

 

2.2 法線ベクトル

  • 法線ベクトルは,次の手順により算出する.
    (a) 任意の点$P_i$について,その点から半径$r_q$の計数球内にある点群$\mathbb{P}_i^k(r_q)$を求める.この計数球内の点の数を$k$個とする.$k$に$p_i$を含めないものとし,近傍探索は近傍探索はKD-Treeを用いる.
    (b) 点$p_i$と点群$\mathbb{P}_i^k(r_q)$を含む点群の共分散行列$C$を求める.
    (c) $C$から固有ベクトルを求め,正規化した法線ベクトル$n_i$を決定する.
  • 要するに,計数球内の点群に対して主成分分析を行う.

 

2.3 内積

  • 点$p_i$の法線ベクトル$n_i$と距離$r$にある点の法線ベクトル$n_j^r$の内積$n_{(i,j)}(r)$は,$n_i \cdot n_j^r$を計算することで求める.

 

2.4 内積値の分散

  • 点$p_i$から,距離$r_s$と$r_l$の間にある点群$\mathbb{P}_i^k(r_s,r_l)$の平均内積

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    を求める.点$p_i$から,距離$r_s$と$r_l$の間にある点群$\mathbb{P}_i^k(r_s,r_l)$の内積値に関する分散
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    を求める.

  • $σ^2$は,注目点の周辺部の物理構造と相関があるため,平面中心部の$σ^2$は0になるが,エッジ付近では,特徴ある値を示す.

 

3. 実験結果と考察

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  •  分散値$σ^2$が0近ければ青,分散値の最大値Max$(σ^2)$が赤となるヒートマップである.
  • 実験結果から,モデル1,2については,エッジ付近や平面部などの点の物理構造に応じて,分散値が特徴的な値を持つことがわかった.
    → エッジと平面部を分離することが可能!
  • 平面部から,エッジ部分に近づくに連れて,分散値が次第に大きくなり,頂点周囲で最大となった.これは,内積値の算出範囲が,他面にある点群を含むためである.
  • エッジ上や頂点では,複数面の点群から分散値が求まるが,指定範囲の点群に対称性があるため,分散が小さくなっている.